紅白の彩りとともに、さやさやと鳴る黄金の神楽鈴の音が新たな時を刻んでいく―。令和5年が幕を開けた正月三が日、初詣の参拝者でにぎわう平安神宮(京都市左京区)。本殿で装束姿の1人の巫女(みこ)が笛や太鼓に合わせて神楽を奉納すると、優美な雰囲気に包まれた。
新年恒例の特別祈願での一場面。神前で巫女は今年の絵馬が付いた神矢を手に神楽を舞った後、見守る参拝者に向けて鈴を振った。「良い1年になるよう気持ちを込めて奉仕したい」。こう語って神楽を披露した巫女、谷口こころさん(23)の思いが鈴の音に重なる。
平安神宮によると、1~3日の三が日には約53万人の参拝者が訪れた。晴れ着姿も目立った境内では、開運や健康、合格祈願など、参拝者の願いはさまざま。昨年を無事に過ごせたことに感謝しつつ、新たな抱負や決意を胸に、それぞれの1年が始まった。(写真と文、渡辺恭晃)
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1年を通じて四季が織りなす彩りに包まれる京都。自然や伝統文化などの「京の色」を季節ごとに切り取ります。