2023年の干支は「卯」。初詣はウサギにまつわる社寺で、飛躍の御利益を賜りたいものです。
そこで今回は、関西が誇るミラクルなウサギの御利益スポットをご紹介。琵琶湖に浮かぶパワースポット竹生島の「宝厳寺」に、知る人ぞ知るウサギの名所があるのです。
宝厳寺は、およそ1300年前の奈良時代、聖武天皇が夢で天照皇大神のお告げを受け、行基に開基させたと伝わる歴史深い名刹で、日本最古の観音巡礼道「西国三十三所」第30番札所としても親しまれています。それだけに歴史上、錚々(そうそう)たる人物が宝厳寺を参拝しています。天皇の行幸が代々続いただけでなく、弘法大師も来島して修業され、戦国時代には織田信長や豊臣秀吉も参拝に訪れました。なかでも信長の信仰は厚く、宝厳寺が比叡山延暦寺との繋(つな)がりが深い寺と知りつつも焼き打ちの際、宝厳寺には手を出しませんでした。浅井長政と戦った「姉川の合戦」の際も真っ先に宝厳寺を参拝したのは信長だったそう。さらに、小谷城落城(1573年)の後には朱印安堵状(竹生島の建物と寺領を安堵することを表明した朱印状)を持参して、この寺は自分が守ることを示したそうです。
また秀吉も宝厳寺と深く関わっており、慶長7年(1602年)には、秀吉を祀った「豊国廟」の観音堂や唐門などが、宝厳寺へ移築されています。いずれも桃山時代の代表的な建築物です。