年末年始の活力に 「伊勢重」のすき焼き

産経ニュース
150年以上変わらず、炭火と鉄鍋で調理される「伊勢重」のすき焼き=東京都中央区(三尾郁恵撮影)
150年以上変わらず、炭火と鉄鍋で調理される「伊勢重」のすき焼き=東京都中央区(三尾郁恵撮影)

普段の仕事や家事に、新年の準備が重なる年の瀬は、目が回るような忙しさだ。そんなとき、とろけるような霜降り肉のすき焼きを食べて、パワーチャージするのはいかが。調理法はシンプルで家庭でも作りやすいが、ちょっとしたコツでさらにおいしく作れるという。年末年始のだんらんにもぴったりだ。(田中万紀)

年末年始の定番

師走で慌ただしく人が行き交う東京・日本橋。昔の風情がまだ残るこの地に店を構える「伊勢重」は創業明治2年、当時は「牛鍋屋」と呼ばれた都内最古のすき焼き専門店だ。しょうゆやみりんなどを使った、秘伝の配合の割り下と、炭火と鉄鍋を使った調理法は150年以上前から連綿と受け継がれている。

「しょうゆが立っていて甘みが少ないのが伊勢重の割り下。昔の牛肉には臭みがあったので、しょうゆベースにしたのでしょう」とは、7代目の宮本尚樹さん(41)。

そんな割り下にくぐらせるのは、サシがきれいに入った最高級黒毛和牛の霜降り肉。産地やブランド、部位は限定しないものの、30カ月以上育てた雌牛の肉が基本になる。「雌牛は脂の融点が低く肉がやわらか。時間をかけて育てられた牛は、肉に良質な脂肪がつくられて胃もたれしにくいのです」と宮本さん。

肉をよりよい状態で供するため、塊を包丁で一枚一枚薄切りにする「手切り」にこだわる。これができるのは同店に3人だけで、宮本さんはその一人。「肉は目(筋繊維)に直角に切るとやわらかくなるので、微妙に包丁の角度を変えながら慎重に切ります。包丁の入れ方で断面がわずかに波打つことで、味がよく絡みます」と胸を張る。

脂肪が溶ける時間まで計算し切り出された薄切り肉は、身の赤と脂の白が点描画のようにバランスが取れ、見た目に美しい。箸でつまみ、割り下におどらせてから卵にくぐらせ、口に入れてみる。

肉は薄く、口の中でとろけるが弾力もある。嚙(か)むほどに割り下の風味と脂の甘みが口に広がる。おなかが満たされても箸が止まらない。

すき焼きはこの季節、家庭の食卓でも人気が高い。

食品大手キッコーマンが運営するレシピサイトでは、昨年12月~今年1月、検索数トップはすき焼きだった。また今年8月、同社がすき焼きを食べる機会を聞いた調査では、圧倒的1位が「年末年始」で、2位の「日常」や3位の「肉を食べたいとき」を寄せ付けなかった。すき焼きが年末年始など〝ハレの日〟のごちそうとして広く認知されていることが読み取れる。

「年末年始にはすき焼きを割り下から作って食卓を囲む家庭も多い。おせちとともに欠かせないメニューとして浸透しているようだ」と同社の担当者は話す。

家庭で味わうには

せっかくなら家庭でも上手に作りたい。どうすればいいのか、伊勢重の宮本さんに聞くと、肉の脂身や筋を丁寧に取り除いたり、具材を吟味したり、割り下を一晩寝かせたりといった「下準備の手間を惜しまないこと」と、ポイントを教えてくれた=図。

今も昔もすき焼きは「ごちそう」の代名詞のような料理だ。専門店のこだわりのすき焼きであれば、なおさらだが、宮本さんは「老舗だからと構えることなく、気軽に足を運んで専門店のすき焼きを味わっていただきたい」。

そんな思いを肉の一枚一枚に込め、宮本さんは150年変わらない味を供し続ける。

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