大阪市と大阪府富田林市の両議会が「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係を根絶する」と決議したことは、憲法の保障する議会への請願権や信教の自由の侵害として、旧統一教会の関連団体「天宙平和連合(UPF)」大阪支部が23日、両市に決議の取り消しと慰謝料など計700万円の支払いを求める訴訟を大阪地裁に起こした。原告側によると、同様の訴訟が富山市議会の決議に対しても起こされており、全国2例目。
訴状によると、富田林市議会は9月、「旧統一教会と関連団体とは一切かかわりを持たない」とする決議を可決。大阪市議会も11月に旧統一教会を「反社会的団体」と位置付け「取り込まれないよう一線を画す」と決議した。
大阪支部の永井博理事長(76)は、両市議会の全議員に、決議の取り消しを求める請願への協力を依頼したものの決議を理由に拒否されたと主張。「請願権を侵害され、信仰と宗教活動を理由に差別的な扱いを受けた」としている。
大阪市と富田林市はそれぞれ「訴状が届いていないのでコメントできない」としている。