令和5年度予算案には、大阪都心部と関西国際空港を結ぶ鉄道新線「なにわ筋線」関連など、関西の交通インフラを充実させる施策が盛り込まれた。7年開催の大阪・関西万博後を見据えた都市機能向上を後押しする。
なにわ筋線は、大阪駅(大阪市北区)北側の再開発地区「うめきた」で5年3月に開業予定の新駅とJR難波・南海新今宮駅を結ぶ。13年に開業し、大阪中心部から関空の所要時間は約1時間から約40分に短縮される。予算案では同線を含む地下鉄整備費として80億円を計上した。
大阪延伸を計画する北陸新幹線(敦賀-新大阪間)は来春の着工を断念したが、施工上の課題を解決するための調査費として12億円を計上。本来は工事実施計画の認可後に行う調査で、地下水への影響や地質を前倒しして調べる。大阪商工会議所の鳥井信吾会頭は「あらゆる手を尽くし、1日も早い全線開業を」と注文している。
また空港関連では、国際競争力や訪日外国人客の受け入れ体制を強化するため、関空と大阪(伊丹)空港の航空保安施設の更新などの整備費に48億円を計上した。