「ジャパネット杯 春の高校バレー」として来年1月4日に東京体育館(東京都渋谷区)で開幕する「第75回全日本バレーボール高等学校選手権大会」(日本バレーボール協会、産経新聞、フジテレビなど主催)に県代表校として出場する男子2チームを紹介する。
慶応 コンビ展開し8強狙う
2年ぶり4度目の春高となる慶応は、大会初日の4日、3年ぶり26度目出場の西原(沖縄)と戦う。慶応が出場した過去3度の春高の中で2度対戦し、1勝1敗の相手だ。3年前の大会では8強をかけた3回戦で敗れており、主将で3年の山口快人は「先輩の分も勝ちたい」。渡辺大地監督は「生徒たちは上を目指したい、上で勝ちたいという思いが強い。初戦から悔いなく、一試合一試合勝ち抜いていきたい」と語った。
攻撃の中心となるのは主将の山口と3年の野口真幸の両エースで、「山口は安定型、野口は勝負師型でタイプが違う」(渡辺監督)。山口は県予選を「自分にボールが集まりすぎてしまう場面があった」と振り返り、「春高ではもっとコンビを展開し、全員で攻撃したい」と力を込める。
県予選後は、ブロックからのレシーブ、レシーブからの攻撃の流れを重点的に練習してきた。高い天井や広い空間など、コート上での感覚が違う東京体育館でも、守備の場面で安定してボールを上げた上でコンビを合わせて攻撃を展開できるかが鍵になる。
総体や国体で全国の強豪と戦い、「生徒はまだ力不足ということをよく分かっている」と渡辺監督。過去3度の春高の成績はいずれも16強。最大のパフォーマンスを発揮できるよう準備を重ね、慶応史上初の8強、そしてさらにその先を狙う。山口は「本番で力を出し切れるよう、不安要素をなくし、万全の状態で迎えたい」と抱負を語った。
東海大相模 強い結束力で一戦必勝
3年連続6度目の春高となる東海大相模は、大会初日の4日、5年連続10度目出場の天理(奈良)と対戦する。天理戦で勝利すると、2回戦で待ち受けるのは第73回春高の優勝校、東福岡(福岡)。田路(とうじ)尚紀監督は「一戦必勝」とした上で「『打倒東福岡』でダークホースとなれるよう、チーム全員が今、同じ方向を向いている」と、強い結束に手応えを感じている。
田路監督はチームについて、高さに加えて「サーブを強みとする選手が多い」と語り、「サーブとブロックを重点的に磨いてきた集大成として、強豪相手にも手応えを感じたい」と意気込む。主将で3年の木戸楓冴(ふうご)は勝利のポイントとして、序盤でリズムを作った上で「サーブで攻めてブロックで仕留めること」を挙げる。
攻撃面では、バックアタックなど後ろからの攻撃参加を重点的に強化し、「相手ブロック枚数が1枚になったり乱れたときに確実に決めたい」(田路監督)。木戸は「今年は特に攻撃力が高い」といい、自身がセッターとして攻撃陣の強みを引き出す役割を担う。「ブロッカーと駆け引きしてスパイカーに楽に打たせたい」
前回の春高では2回戦でフルセットの激闘の末に涙をのんだ。チームの目標は8強。木戸は「まずは天理という壁があって、さらに東福岡という大きな壁がある。相手は格が上と周りも見ているが、勝ってその先の景色を見たい」と勝利への強い思いを語った。
(橋本愛)