ロシアのプーチン大統領は21日、露国防省の会議に出席し、露軍が開発を進めてきた新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「サルマト」を近く実戦配備し、核弾頭を搭載可能な海上・海中発射型の極超音速巡航ミサイル「ツィルコン」も来年1月に実戦配備すると表明した。プーチン氏は核戦力の充実を誇示し、ウクライナや同国を支援する米欧を威圧した形だ。
プーチン氏は会議での演説で「米欧は何世紀もロシアの弱体化を狙ってきた」と主張。ロシアの防衛のために「われわれは世界に類のない極超音速兵器の開発を続ける」と強調した。
プーチン氏はウクライナでの軍事作戦にも言及。「目標は確実に達成されるだろう」とし、今後も作戦を継続する方針を示した。ロシアを軍事行動に踏み切らせた責任はウクライナを隷属させようとした米欧側にあるとも述べ、ウクライナ侵略を改めて正当化した。
サルマトは1万8000キロとされる長大な射程で、米ミサイル防衛(MD)網を突破できる兵器としてロシアが開発。露国防省が4月、初の本格的な発射試験に成功したと発表していた。
ツィルコンに関しても、同省が艦艇からの発射や潜水艦からの水中発射に成功したと発表していた。プーチン氏によると、露北方艦隊のフリゲート艦「アドミラル・ゴルシコフ」に最初に装備され、来年1月に実戦配備に就くという。
会議では、ショイグ国防相が今年の露軍の活動を報告。ICBM「ヤルス」を新たに2つのミサイル部隊に配備したほか、実戦配備済みの極超音速兵器「アバンガルド」を運用する部隊も新たに1つが実戦配備に就いたとした。ショイグ氏はまた、将来的に露軍の定員を現在の100万人規模から150万人規模まで増やすべきだと訴えた。