東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件で、大会組織委員会元理事、高橋治之(はるゆき)被告(78)=受託収賄罪で起訴=への贈賄罪に問われた紳士服大手「AOKIホールディングス」前会長、青木拡憲(ひろのり)被告(84)ら3人の初公判が22日、東京地裁で開かれ、3人はいずれも起訴内容を認めた。
スポーツの祭典を舞台に5つの資金提供ルートで計15人が起訴された一連の事件で、初の公判。高橋被告は現在も保釈されておらず、公判日程も決まっていない。
ほかに贈賄罪で起訴されたのは拡憲被告の弟で前副会長、宝久(たかひさ)被告(76)、元専務執行役員の上田雄久(かつひさ)被告(41)。
起訴状などによると、拡憲被告ら3人は平成29年1月~昨年6月、高橋被告に対し、大会スポンサーへの選定▽スポンサー契約の迅速化▽大会延期に伴う追加スポンサー料の減額▽公式ライセンス商品契約の迅速化―などをそれぞれ依頼。
見返りとして高橋被告が代表のコンサルティング会社「コモンズ」に、AOKIの関連会社からコンサル料名目で計5100万円を振り込んだ。特捜部は全額を賄賂と認定。このうち贈賄罪の公訴時効(3年)にかからない計2800万円分で3人を起訴した。
一方、高橋被告は計5ルート全てを一貫して否認しており、公判では全面的に検察側と争う見通し。AOKIルートについては「正当な業務の対価だった」と主張している。