混乱続く大統領罷免のペルー 生活苦が庶民の抗議拡大

産経ニュース
20日、ペルー・リマで、抗議するカスティジョ前大統領の支持者(AP=共同)
20日、ペルー・リマで、抗議するカスティジョ前大統領の支持者(AP=共同)

【ニューヨーク=平田雄介】南米ペルーで7日に急進左派の前大統領カスティジョ氏が罷免され、支持基盤の地方を中心に抗議デモが拡大した。治安部隊との衝突で21人が死亡、空港や道路の閉鎖により日本人観光客を含む10万人に影響した。同氏の復帰を求めて始まったデモは、新型コロナウイルス禍やロシアのウクライナ侵略に伴う経済的打撃による不満の受け皿ともなり、一部が暴徒化した。

暴徒は南部のアヤクチョやクスコの空港などを一時占拠したほか、各地で道路を封鎖したり、公共施設に放火したりした。この影響で、世界遺産のマチュピチュ遺跡やクスコを訪問していた日本人観光客20人以上も足止めされた。現地外交筋によると、暴徒の大多数は「新型コロナ禍による失業や、ウクライナ侵略後の食料や燃料価格の高騰にあえぐ若者だった」という。

デモ隊は2026年予定の総選挙(大統領選、議会選)の前倒しも要求。副大統領から昇格し女性初の大統領となったボルアルテ氏は鎮静化を狙い、24年4月実施を可能にする憲法修正案を議会(一院制、130議席)に提出し、20日、定数の3分の2を超える90票の賛成を得て可決された。

抗議デモは、カスティジョ氏の支持者が多い地方の貧しい地域でなお散発的に起きている。同氏は北部カハマルカの貧しい農家の出身。フジモリ元大統領の長女ケイコ氏と対決し、「農夫と姫の戦い」と呼ばれた昨年6月の大統領選決選投票を競り勝ち、反エリート政治の象徴となった。

ただ、カスティジョ氏は政治経験に乏しく、大統領就任後は少数与党の議会運営に苦しんだ。首相や閣僚の交代が相次ぎ、自身の汚職疑惑も浮上。教育や医療の充実など公約も実現できず、最近の支持率は20~30%台に低迷していた。

議会での罷免決議案採決に先立ち、カスティジョ氏は議会の一時解散と臨時政府の樹立を発表した。これは1992年のフジモリ元大統領による「自主クーデター(アウトゴルペ)の再現」と地元メディアで報じられた。しかし、貧困対策やテロ掃討作戦で成果を上げ、支持率が約80%まで上昇した「フジモリ元大統領との違いは大きかった」(政治アナリストのネルソン・マンリケ氏)のが実情で、カスティジョ氏のもくろみ通りには事は運ばなかった。

最高裁はカスティジョ氏の動きを「憲法違反」と宣言し、軍や警察も非難、閣僚も相次ぎ辞任した。罷免後、カスティジョ氏はメキシコへ亡命を試みたが、国家警察が反逆や陰謀などの容疑で身柄を拘束した。一方、メキシコのエブラルド外相はカスティジョ氏の妻と子供2人はリマのメキシコ大使館にいることを明らかにし、3人の亡命を受け入れるという。

左派政権のメキシコやコロンビア、アルゼンチン、ボリビアはカスティジョ氏を支持し、ボルアルテ新政権を承認していない。現地外交筋は「貿易交渉など今後の外交日程に影響が出る恐れがある」と指摘した。

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