岡山県総社市議会は21日、ペットを家族の一員と捉え、災害や脱走の際に市がサポートすることなどを盛り込んだ「人とペットの共生条例」案を全会一致で否決した。片岡聡一市長の肝いりだったが、大規模災害時に人への支援が制約されることや、職員の負担増を懸念するなどの意見が出ていた。
条例案には、災害時に避難所を開設する際はペット同伴が可能な避難所を設置することや、ペットが脱走した際に市が捜索に協力することなどを明記していた。
ペットの定義や制定目的が明確に示されていないとの指摘もあり、閉会後に取材に応じた村木理英議長は「条例内容として形になっていないと言わざるを得ない」と述べた。
片岡市長は犬や猫の殺処分ゼロの街づくりに意欲的で、「真の意味での共生社会をつくりたい」として条例案を提出。否決を受け「残念で悔しい」としながらも、条例案に盛り込んだ内容は今後、積極的に取り組んでいく考えを示した。