我流~2022回顧③

黙食を強いるのは誰だ コロナ禍3年目

産経ニュース
黙食を続けている小学校教室の光景。子供たちが楽しく食事をとる日常はいつ戻るのか=12月初旬、東京都豊島区
黙食を続けている小学校教室の光景。子供たちが楽しく食事をとる日常はいつ戻るのか=12月初旬、東京都豊島区

どうして大人はレストランで黙食しないの? ふいに子供からこう問われると、何と返せばいいだろう。その理由を自分の言葉で説明できるだろうか。

新型コロナウイルスの感染拡大が始まってまもなく3年となる。冒頭の痛烈な文言は、子供への感染対策の見直しなどを求める「全国有志子どもを思う会」(東京)が実施したアンケートの自由回答欄から抜粋したものだ。今年5~7月、未就学児と小学生を中心に1593人がインターネットで答えた。

コロナ禍の教育現場で広く定着した黙食。飲食に伴う感染リスクを抑制する目的があったが、アンケート結果は辛辣(しんらつ)だった。黙食について約8割が「悪い」と回答し、「給食はお話ししながら食べたい」とした人は約9割に上った。

同会は結果を踏まえ、黙食をはじめとした過度なコロナ対策の緩和を求める要望書を9月に文部科学省と厚生労働省に提出した。代表の小野真帆さん(30)は「想像以上に多くの子供が黙食に苦しんでいるのが分かった」と話す。

知見が蓄積されたとして、政府は今年11月、コロナ対策の基本的対処方針から黙食推奨の文言を削った。文科省も適切な対策を取れば「給食時の会話は可能」とする姿勢に転じ、通知を都道府県教育委員会などに出している。

それでも日常は簡単には戻らない。

同会によると、通知が出された後でも、校長や担任などの判断で黙食を継続させる現場が少なからずある。ただ小野さんの次の懸念は、黙食が終わったとしても給食時に友達とどうコミュニケーションを取ればいいか分からない子供が増えることだ。

「楽しく食事をするのも学びの一つなのに」(小野さん)。子供たちにとって黙食が続いた3年はあまりにも重く、代償は計り知れないのだという。

専門家と呼ばれる大人たちは今、コロナの感染症法上の危険度の扱いを議論している。季節性インフルエンザと同じ「5類」への引き下げはいつ行うべきか、医療体制や公費負担はどのような形が望ましいのか。世論や諸外国の現状を見れば進むべき道は明確といえるが、慎重な意見もあり、出口は見いだせていない。

そうした停滞の中で、子供たちを巡る問題は後回しにされていなかったか。黙食だけではない。ウィズコロナが叫ばれ、行動制限が撤廃されるようになっても、遠足や運動会、発表会などのイベントには何らかの制限が残ったまま。イレギュラーが日常になる理不尽を、「コロナ前」の景色を知る大人たちが無理強いさせることに違和感を覚えてしまうのだ。

政治に経済、そして医療。コロナ禍が日本の機能不全をあぶり出したといわれて久しい。「子供は宝」と美辞麗句を並べながら、事実上の極端なゼロリスクを押し付け、貴重な経験の機会を奪う矛盾もその一つではないか。

失った時間を取り戻すすべはまだ残されていると思う。上がり始めた声に、責任ある大人たちは真摯(しんし)に向き合うべきだ。

(社会部 細田裕也)

3年目の新型コロナウイルス禍 オミクロン株の派生型「BA・5」による流行で今夏、1日あたりの新規感染者が25万人を超える感染拡大「第7波」に直面。一方で国民に行動制限は課されず、社会経済活動との両立が模索された。中国では徹底的な押さえ込みを目指す「ゼロコロナ」政策への不満が国民から相次ぎ、同政策は事実上崩壊した。ただ国内では、年末年始で感染者が急増する第8波に警戒する向きがある。


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