自民党は薗浦健太郎衆院議員の辞職に伴い、来年4月に想定される衆院千葉5区補欠選挙の候補選びを急ぐ。「政治とカネ」の問題による辞職だけに逆風は必至で、党内では同時期に実施される統一地方選への影響を懸念する声もある。
「綱紀粛正にしっかり指導していきたい。このことで地方議会の選挙に影響を与えてはいけない」
自民の萩生田光一政調会長は21日、党本部で記者団にこう述べた。
10日に閉幕した臨時国会では「政治とカネ」をめぐる問題などで3人の閣僚が辞任し、岸田文雄政権の支持率は低迷を続ける。与党内からは「ここから立て直そうという矢先に…」との恨み節も漏れる。
薗浦氏の辞職に伴う千葉5区補選は、和歌山1区と山口4区の衆院補選と併せて来年4月に実施される見通しだ。千葉5区補選は逆風が吹くとみられ、自民の一部には候補擁立見送り論もあるが、党幹部の一人は「こんな時ほど出すべきだ」と語る。
候補者選定は公募が軸となる。ただ、選定作業の中心となる党千葉県連の選対委員長は薗浦氏が務めていたため、千葉県選出のベテラン議員は「どうするんだ」と頭を抱える。国民民主党は薗浦氏の辞職を受け、早速千葉5区補選の候補者を決定した。
千葉選出の自民中堅議員は、補選と統一地方選の時期が重なることに「労力が半端ではない」とした上で「やるべき政策を愚直にやるしかない」と語った。(石鍋圭)