ハロウィン梨泰院(イテウォン)事件の責任問題をめぐる韓国の政争は、野党側の腰砕けに終わりそうだ。要因はさまざまだが、底流には「全羅道(チョルラド)左翼」に対する、「慶尚道(キョンサンド)保守派」の反転攻勢がある。1000年以上も前に始まった地域対立が、いまなお続いている…。日本とは全然違うのだ。
日本のテレビは、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の退陣を要求するデモ・集会を、はしゃぎ気味に報じている。「絵になりやすい動き」だからだろうが、朴槿恵(パク・クネ)元政権を倒壊させたような「ロウソク革命」が再現される―と思ってしまう視聴者もいるようだ。
事件直後11月5日の土曜日集会は、中高校生まで参加した(=動員された)ことで注目された。だが、12日、19日はもう先細りの感じを否めない。
最大の理由は、左翼のアジによる大規模デモ(=狂牛病騒動、セウォル号事件)を見てきた国民に「またか」と思われたことだ。
多数派野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表が抱える数々の金銭疑惑、その解明に向けた検察の捜査が粛々と進んでいることが、第2の要因だ。