強者たちのワールドカップ

がんと闘う老将、オランダのファンハール監督「この仕事が好きだ」

産経ニュース
サッカーカタールW杯2022に臨むオランダのファンハール監督とエドガー・ダーヴィッツ(右)=アルスママ競技場(蔵賢斗撮影)
サッカーカタールW杯2022に臨むオランダのファンハール監督とエドガー・ダーヴィッツ(右)=アルスママ競技場(蔵賢斗撮影)

サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会で、オランダのファンハール監督が病と戦いながら世界一を目指している。71歳の老将はW杯予選突破後に前立腺がんで闘病中と公表。母国を3位に導いた2014年ブラジル大会に続く指揮となる集大成の舞台に向け、地元メディアの取材に対し「私はこの仕事が好きで、この年齢まで続けられるのは贈り物だ」と衰え知らずの意欲を示している。

21日に行われた1次リーグ初戦は、セネガルを手堅く下して勝ち点3を奪取。悲願の初優勝へ好スタートを切りながらも、「自分たちのボール保持時に正確性を欠いた点は満足できない」となお手厳しい。

指導者としての経歴は輝かしい。アヤックス(オランダ)を率いた1994~95年シーズンに欧州チャンピオンズリーグを制覇。その後もバルセロナ(スペイン)、バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)、マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)といった各国リーグを代表する強豪で監督を務めてきた。

オランダ代表監督としては2002年日韓大会の出場権を逃す屈辱を味わったものの、2度目の就任時に臨んだブラジル大会で3位と健闘した。W杯予選中だった昨年から3度目となる大役を引き受け、カタール行きの切符を獲得。自身の、そしてサッカー先進国である母国の悲願である世界一への挑戦権を得た。

「選手に影響を与えたくない」と病を隠して戦ったW杯予選後の公表はチーム内外に衝撃を与えた。バルセロナで指導を受けたイニエスタ(神戸)は、自身のツイッターに2ショット写真と「コーチ頑張って!」のコメントを投稿。オランダ代表の主力DFファンダイクは「彼にとって忘れられないW杯にしてみせる」と奮闘する。

残してきた実績は申し分ないものの、主力選手との確執がたびたび取り沙汰されるなど指導者としての評価は二分する。「すべての経験が私を人間として豊かにしてくれたと思う」。古希を超えるまでに味わってきた苦楽を力に変え、そのすべてを世界の強豪が集結するひのき舞台にぶつける。(運動部 奥山次郎)

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