鬼筆のスポ魂

ドイツ撃破の大金星、森保マジックはルール変更への適応だった 植村徹也

産経ニュース
ドイツ戦で指示を出す森保監督=ドーハ(共同)
ドイツ戦で指示を出す森保監督=ドーハ(共同)

「ただし、ただし…一喜一憂せず、次に向けて備えよう」。ドイツから奇跡の逆転勝利を飾った試合終了後、サッカー日本代表の森保一監督(54)はまるで自分自身に言い聞かせるように選手たちに話した。そう一喜一憂せず、常に前に向かって冷静沈着に準備を整えた先に勝利がある。〝ドーハの歓喜〟の裏には森保監督の先を読んだ代表選手選考から起用法に至る綿密な戦略があった。

サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会の23日、日本代表は下馬評では圧倒的に不利と言われた強豪ドイツに2ー1の逆転勝ち。W杯4度の優勝を誇るドイツに歴史的な勝利を飾り、最高のスタートを切った。前半を0-1で折り返すと後半30分、途中出場のMF堂安律(24)=フライブルク=がゴール前でこぼれ球に反応して同点ゴール。さらに後半38分には同じく途中出場のFW浅野拓磨(28)=ボーフム=が守護神ノイアーの頭上をぶち抜く勝ち越しゴール。そのままリードを守り切り、世界を驚かせた。

同点弾も決勝弾も途中出場の選手…。これは決して偶然の産物ではない。森保マジックの〝種〟と言ってもいい。なぜなら22回目を迎えた今回のW杯(第1回大会は1930年のウルグアイ開催)から5つのルール変更が行われた。オフサイドを判定するための新たな感知システムの導入やハンドの反則の範囲…などだが、サッカーの戦略戦術に最も大きな影響を及ぼすルール変更は1試合に交代できる選手数が従来の3人から2人増えて5人になったことだった。

新型コロナウイルスの影響で2020年、各国のリーグで中断や延期が相次いだ。再開後の過密日程を考慮し、国際サッカー評議会(IFAB)は交代枠を一時的に3人から5人に増やした。これが各地で定着したことからIFABは今年の6月に5人交代枠をルールとして恒久化した。

森保監督は交代枠3人→5人によるゲームプランの抜本的な練り直しを行ったはずだ。それが1日に発表された代表メンバー26人に表れた。代表入りが確実視されていた大迫をあえて外し、FWにスピード重視で同タイプの浅野と前田大然(25)=セルティック=を選出。サッカー関係者は指揮官の狙いを分析した。

「交代枠が3人と5人では全然ゲームプランが違ってくる。3人枠ならば先発で出場した選手たちは基本的に90分を想定してプレーする。しかし、5人枠ならばスタートから全力でプレーし、息が切れたら即交代でいい。前田と浅野はきっと試合の半分の時間を全力で駆け抜けるつもりでプレーしただろう。森保監督が同タイプの選手2人をワントップで選んだ狙いがまさに的中した」

前半は前田が走り回り、疲れ切ったら浅野にチェンジして走らせる…。狙いは見事にハマった。森保監督は代表メンバー選考の時からゲームをイメージし、ルール変更を生かした。ドイツ戦では長友→三笘、酒井→南野、久保→冨安、田中→堂安、前田→浅野と交代枠を使い切った。ドイツも同じく交代枠を使い切ったが、より有効的な選手交代は日本だった。選手交代と同時に4バックを3バックに変更したことでゲームの流れも大きく変わった。

さあ、次戦は27日にコスタリカ戦(アルラヤン)。そして12月1日(日本時間2日)には優勝候補のスペイン戦(ドーハ)が待っている。森保監督が言うように「一喜一憂せずに」戦わなければ、決勝リーグ進出も、悲願のベスト8入りも見えてはこない。選手たちは口々に「まだ一勝しただけ」と話した。森保イズムが浸透した選手たちに慢心はないだろう。次はどんな準備を施して戦うのか…。〝カタールの神話〟はまだ始まったばかりだ。

(特別記者)

  1. 野菜のプロ直伝「おでんの大根 一瞬で味を染み込ませる方法」に「いいね」続々「これ本当に一撃で味が染みる!」

  2. NHK大河「鎌倉殿の13人」12月4日OA第46話あらすじ 京で高まる鎌倉への不信感、北条家では泰時(坂口健太郎)が思い悩み…

  3. 広瀬章人八段は4年ぶり竜王奪取ならず 藤井聡太竜王に敗れ「スコア以上に完敗だった」/将棋

  4. 【虎のソナタ】思わぬ大物が阪神へ移籍してくるかも 12・9現役ドラフトは大注目

  5. 清瀬汐希が初主演映画で体当たりヌード ベッドシーン撮影になんと4時間