ビジネスパーソンの必読書

『リスキリング』『YKKのグローバル経営戦略』『人に優しいロボットのデザイン』

産経ニュース
『リスキリング』
『リスキリング』

「ユーキャン新語・流行語大賞2022」の候補が決定。今回紹介する「リスキリング」も選ばれた。流行に踊らされず、言葉の本質をつかむようにしたい。(情報工場「SERENDIP」編集部https://www.serendip.site/)

業務に生かす学び

『リスキリング』後藤宗明著(日本能率協会マネジメントセンター・2035円)

岸田文雄首相が「5年で1兆円の支援」を表明したことでも注目される「リスキリング」について、概念から具体的実践方法までを網羅して解説。

リスキリングは、「学び直し」と訳されることが多く「リカレント教育」と同義に捉えられがち。だが、リカレント教育は、学ぶことそのものが目的であることが多く、職業に直接結びつかない学びも含まれる。それに対しリスキリングは、新事業の立ち上げなどに必要なスキルを身につけるものであり、実際に新しいスキルを業務に生かすまでを含む概念なのだ。

欧米で注目される背景には、AI(人工知能)に仕事を奪われる危機感があるそうだ。DX(デジタルトランスフォーメーション)の潮流もあり、変化に対応すべく新しいスキルが要求される。リスキリングはあくまで手段であり目的ではない。取り組み自体が目的にならないようにしたい。

材料から一貫生産

『YKKのグローバル経営戦略』高橋浩夫著(同文舘出版・2090円)

ファスナーの製造販売で世界的シェアを誇る日本企業、YKKのグローバル戦略を読み解く。

注目すべきは、昭和9年創業のYKKが、ファスナー事業を始めてすぐに海外拠点を設け、それから今に至るまで各地域で一貫生産体制をとっていることだ。

『YKKのグローバル経営戦略』

ファスナーは、衣服の種類やデザインに合わせて多種多様な製品を大量生産しなければならない。その条件で高品質をめざすには、原材料の調達、加工から最終製品の製造までを同一組織で行う一貫生産しかないという判断だった。

1980年代に世界展開を図るアパレルメーカーが台頭し、ファスナーにも共通品質を求められたときには、国境を超えたマーケティング組織をつくり、対応した。以来、多様性と統一性の絶妙なバランスをとり続けていることが、同社の強みの一つなのだろう。

SDGs(持続可能な開発目標)にもつながる創業以来の企業精神「善の巡環」も興味深い。伝統と現代性をいかに調和していくか、参考になる一冊だ。

そばにいるだけ

『人に優しいロボットのデザイン』高橋英之著(福村出版・2640円)

大阪大大学院特任准教授の著者が、人の心に寄り添えるロボットの可能性を探る。ヒントになったのは、数年前に話題になった「レンタルなんもしない人」。ツイッターを通じて依頼に応じ、「ただそこにいるだけ」のサービスを提供する若者だ。著者は彼の存在から「何もせずに傍にいる」ことの人の心への影響を考察する。

『人に優しいロボットのデザイン』

研究室での試作も紹介している。ユニークなのは、大学院生が開発した「FinU」というシステム。装置の中に左手を入れると、その手の甲に目と口がついた「レフティ」というキャラクターがディスプレー上に現れる。レフティが話したり、瞬いたりすると、その動きに連動して左手に触覚刺激が与えられる。憑依(ひょうい)の感覚が味わえるのだ。

さらに、手の甲に巻き付けるデバイスがあり、外出時には触覚刺激だけが与えられる。その感覚だけでレフティの存在を感じられるようになるという。

孤独や孤立への対策として開発の価値は十分にある。実用化を待ちたい。

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