都市の若者と農村、両方応援 「緑のふるさと協力隊」30年目へ

産経ニュース
「緑のふるさと協力隊」として活動する中野沙和華さん。農村歌舞伎にも出演した=山形県小国町(柏崎幸三撮影)
「緑のふるさと協力隊」として活動する中野沙和華さん。農村歌舞伎にも出演した=山形県小国町(柏崎幸三撮影)

都市から農村へ派遣され地域づくりを担う国の制度「地域おこし協力隊」のモデルとなった活動が、現在募集中の第30期で30年目を迎える。NPO法人「地球緑化センター」(東京)が運営する「緑のふるさと協力隊(緑の協力隊)」。農村で1年間暮らして地域住民の手伝いをする活動は、人口減少や高齢化に悩む農村と、自分を見つめ直したいという若者たちの両方を応援する取り組みだ。

都市から農村へ

山形県南西部の小国(おぐに)町で今月3日、古くから伝わる農村歌舞伎が上演された。

「行き先つまる春の夜の…」

演目の「白浪五人男」を演じた5人のうち3人は、地域活性化に役立ちたいと都市からやってきた若者たち。堺市出身の中野沙和華(さわか)さん(25)もその一人だ。

「練習通りできて、よかった」

看護師の仕事をしていたが、「自分は何をしたいのか」と悩み、一時休養。緑の協力隊へ応募した。町での活動は農作業やイベント、児童教室の手伝いなど。歌舞伎も代々の隊員が担ってきたことだと聞いて、挑戦したという。

一方、新潟県沖の日本海に浮かぶ粟島(あわしま)の粟島浦村には、兵庫県出身の大学4年の女子学生(23)が赴任している。隊員だった友人に聞いて興味を持った。「勉強とは違う環境に身を置いて、もっと視野を広げたい」。大学を休学して参加している。

島での活動は、民宿で食事の配膳をしたり、定期船の荷物を整理したり。マラソンなどのイベントや漁協での出荷作業、新型コロナウイルスワクチン接種会場での案内も手伝ったという。

3つの「協力隊」

緑の協力隊は平成6年に始まった。全国各地の農村へ1年間派遣され、農林業から地域行事までさまざまな活動に従事。受け入れ自治体から生活費として月5万円が支給されるほか、住宅や車、水道光熱費が提供される。29年間で828人が参加。派遣が終わっても4割は定住するという。

農村への「協力隊」というと、21年にできた総務省の地域おこし協力隊が知られるようになったが、そのモデルの一つが緑の協力隊。さらに緑の協力隊のモデルは、昭和40年に始まった青年海外協力隊(現JICA海外協力隊)だ。

近年は、緑の協力隊や海外協力隊を経験後、地域おこし協力隊を志す人も多いという。

隊員自身も成長

小国町は平成22年、緑の協力隊の受け入れを始め、中野さんで16人目。一方で地域おこし協力隊も現在、4人が町に雇用され働く。

町総合政策課の佐藤友春課長は「どちらも若い力が地域へ入っていくきっかけになり、地域の人々にとっても刺激になっている」と説明。「人口減少と高齢化の中、『協働人口』『関係人口』を増やしていく有効な手段として、今後も続けていきたい」と話す。

一方、粟島浦村役場で緑の協力隊を担当する河内典子主任は「島の生活を体験し、今後の人生に生かしてもらうことが主眼」としつつ、「活動の様子を交流サイトなどで発信し、島の隠れた魅力をアピールしてもらう狙いもある」と語る。

小国へ赴任した中野さんは、農作業などさまざまな手伝いをする経験が自信になってきたという。「来年は看護師に戻ろうかな」。そんな将来も見えてきた。

一方、粟島で活動する女子学生は卒業後、看護師か保健師を目指している。

「島の温かい人間関係の経験は将来、患者と接する際に役立つと思う」

思い切って地域に飛び込むことが、隊員自身の成長にもつながっている。(柏崎幸三、本田賢一)

【緑のふるさと協力隊】 対象は18歳からおおむね40歳、派遣期間は1年間。地域おこし協力隊(派遣期間1~3年)が、募集する自治体に雇用され「仕事」として取り組むのに対し、緑の協力隊はボランティア的な「地域貢献活動」との位置づけとなっている。

緑の協力隊は、来春派遣する30期の隊員を募集している。詳しくは地球緑化センターのサイト。

  1. NHK朝ドラあすの「舞いあがれ!」12月9日OA第50話あらすじ 特訓が続き舞(福原遥)が発熱、悠人(横山裕)は両親に近づこうとせず…

  2. 【虎のソナタ】思わぬ大物が阪神へ移籍してくるかも 12・9現役ドラフトは大注目

  3. NHK朝ドラあすの「舞いあがれ!」12月8日OA第49話あらすじ ソロフライト訓練の着陸で舞(福原遥)はまたもセンターラインを外し…

  4. 清瀬汐希が初主演映画で体当たりヌード ベッドシーン撮影になんと4時間

  5. NHK朝ドラ「舞いあがれ!」大河内教官(吉川晃司)を擁護する声続出「フェイルさせて平気なわけじゃないのが背中でわかる」