小池氏と会談の米ヒューストン市長インタビュー 太陽光パネル義務化「住民と企業の理解不可欠」

産経ニュース
インタビューに応じる米テキサス州ヒューストンのシルベスター・ターナー市長=10月28日午後、東京都渋谷区(萩原悠久人撮影)
インタビューに応じる米テキサス州ヒューストンのシルベスター・ターナー市長=10月28日午後、東京都渋谷区(萩原悠久人撮影)

米テキサス州ヒューストンのシルベスター・ターナー市長(68)が産経新聞のインタビューに応じ、10月に東京都の小池百合子知事と都内で会談し、環境施策について意見を交わしたことを明らかにした。同市は米石油産業の中心地として約1世紀以上君臨していたが、「脱炭素」都市への転換を目指す。環境先進都市を掲げ、新築戸建て住宅への太陽光パネル設置義務付けを導入する方針の都について「住民と企業の理解が不可欠」と語った。

エネルギーの首都

ターナー氏は10月中旬に日米の関係団体の会合などに出席するため来日し、その合間を縫って同月27日、小池氏と非公開で会談した。関係者によると小池氏は、新築戸建て住宅への太陽光パネル設置を住宅メーカーらに義務付ける制度を導入する方針を伝え、ヒューストン市側は脱炭素社会に向けた市の取り組みを説明したという。

ヒューストン市は1901年に市近郊のボーモント郊外で、当時、世界最大とされた「スピンドルトップ油田」が発見されて以来、石油産業が地域を支えてきた。現在も米大手の「エクソンモービル」や「シェブロン」などが拠点を構え、関連企業が集積する「エネルギーの首都」として知られる。

だが、脱炭素社会の波が押し寄せ、石油各社も水素や二酸化炭素(CO2)の回収・再利用などの技術開発でしのぎを削る。市としてもターナー氏が市長就任から4年後の2020年、「世界のエネルギー転換をリードする」として「気候行動計画」を発表。2050年までの温室効果ガス排出ゼロを目指す方針を表明した。

ハリケーンが契機

ターナー氏はインタビューで、化石燃料からの脱却にかじを切った理由について、市長就任の翌年、市内を襲った大型ハリケーン『ハービー』の被害が「大きなきっかけだった」と指摘。当時、わずか数日で1年分以上の降雨量を記録し、住宅の浸水や道路の冠水など数週間にわたり混乱した苦い経験があった。

毎年、ハリケーンや豪雨など異常気象の猛威に見舞われるヒューストン。その要因とされる気候変動問題の解決に向けて脱炭素に取り組むのに「ヒューストンこそふさわしい都市だ。対策を講じなければ、市民も自分の安全や健康、財産に影響することを分かっていたと感じたからだ」と強調する。

脱炭素の象徴が太陽光発電だ。ターナー氏によると、現在、市の公共施設の電力はすべて風力と太陽光でカバーしている。「来年には買い取った埋め立て地約240エーカー(東京ドーム約20個分)に、大規模な太陽光パネル設備を設置する」と話す。

「ウィン・ウィンの関係に」

都は太陽光パネル設置義務化の関連条例の改正案を、12月開会の都議会定例会に提出する方針だ。

今月18日には、設置義務化を視野に、住宅メーカーらへの支援策約300億円を盛り込んだ補正予算案を発表。100万円程度とされる設置費が住宅価格に上乗せされる懸念などを踏まえた支援策で、小池氏も18日の記者会見で「都民や事業者に共感が得られるように努める」と述べた。

だが、都民に条例改正案の趣旨が浸透しているとは言い難い。都幹部も「太陽パネル設置義務化を進めるには都民の理解が必要」と周知に課題が残る現状を認める。

小池氏と会談したターナー氏はインタビューで、都の太陽光パネル設置義務化方針について理解しつつも、慎重に取り組む必要があるとの考えを示した。

「環境政策を進めるのに重要なのは、どの立場の企業、住民にとってもプラスに働いている状況を作り出すことだ。互いにウィン・ウィンの関係を目指さなければ、環境政策は成功しない」との立場を示した。(植木裕香子)

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