早稲田大と慶応大の野球部選手と卒業生の混合チームによる「全(オール)早慶野球戦」が27日、茨城県ひたちなか市の市総合運動公園市民球場で行われる。新型コロナウイルスの影響により3年ぶりの開催で、早慶戦の初対戦から120年目の節目の大会とあって、両校の監督は記者会見で「絶対に負けられない」と、ライバル対決を前に火花を散らした。
早大の小宮山悟、慶大の堀井哲也の両校野球部監督をはじめ、大会の実行委員会幹部らが茨城県庁で記者会見し、明らかにした。アマチュア野球屈指の好カードで日本野球界を牽引(けんいん)してきた早慶戦は、明治36(1903)年11月21日に初対戦、今年で120年目を迎える。OBを交えた全早慶野球戦は年に1回以上、全国各地で開催してきたが、新型コロナ禍で過去2年間は開催が見送られてきた。
3年ぶりに節目の大会が茨城で行われることになったのは、早大の歴代監督に本県出身者が名を連ねているからだ。水戸中(水戸一高)出身の飛田穂洲(すいしゅう)(忠順)氏は、大正8(1919)年から早大の初代監督を務め、「学生野球の父」と呼ばれる。生誕100年の昭和61(1986)年にも茨城大会が開催されており36年ぶりの県内開催だ。
水戸商高出身の石井藤吉郎氏は監督として5度の優勝を果たし、第1回の日米大学野球選手権の日本代表監督も務めた。水戸一高出身の石井連蔵氏は主将で4番、エースとして21勝を挙げたほか、監督を2度務めたことで知られる。茨城は早慶戦の長い歴史を語る上で欠かせないレジェンドのゆかりの地でもある。
3年ぶりの開催ということもあり、早大側が茨城での開催を提案、実現にこぎつけたという。
元プロ野球ロッテの投手で大リーグでもプレーした小宮山監督は、「飛田、両石井先生ら早稲田にとり特別な御三方の出身地で、みっともない試合をするわけにはいかない」と意欲をみなぎらせる。対する堀井監督も「早稲田の聖地といえる場所だからこそ思い通りにはさせない」を闘志を燃やした。
試合は午後1時にプレーボール。現役選手には高校やリトルリーグなど本県ゆかりの選手も同行予定。午前中には、小中学生約100人を対象にした野球教室も開催する。前日の午後3時半からは、JR水戸駅南口で両校応援団による応援合戦も行われる。