宇宙ベンチャーのアイスペース(東京)は17日、記者会見を開き、同社が開発した月着陸機を、米スペースX社のロケットで米フロリダ州ケープカナベラル宇宙軍基地から28日に打ち上げると発表した。世界初の民間による月面着陸を目指している。
同社によると、飛行期間は約5カ月。着陸は来年4月末頃を予定している。将来の需要増が見込まれる月への輸送サービスの構築に向けた技術検証などが目的で、アポロ計画に関わった米国のドレイパー研究所などから技術提供を受けて開発を進めてきた。
着陸機は、脚を広げた状態で幅約2・6メートル、高さ約2・3メートル、重さ約340キロ(燃料を含まず)。今回は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小型ロボットやアラブ首長国連邦(UAE)ドバイの政府宇宙機関の探査機など計7つを月まで輸送する。
同社は2025年までに計3回の月着陸を計画している。同社の袴田武史最高経営責任者(CEO)は「継続的な月面の開発を進めることは、米航空宇宙局(NASA)のアルテミス計画成功の一助となり、日本に強い産業をもたらすきっかけにもなる。月を生活圏に変える基盤作りから実行していきたい」と話した。