三井住友VISA太平洋マスターズ第3日(12日、静岡・太平洋クラブ御殿場C=7262ヤード、パー70)
首位と10打差の38位から出たルーキーで今季2勝の河本力(22)=フリー=が、1イーグル、7バーディー、2ボギーのコースレコードに並ぶ63の猛チャージを見せホールアウト時点で通算5アンダーの7位に急浮上した。第1日は6オーバーの76をたたき82位から滑り出したが、第2日に66で上昇。この日も持ち前の飛距離を存分に発揮してのラウンドに、「(この位置は)全く想像になかった。この位置で戦えるのは幸せだし、うれしい」と笑顔を見せた。
入場無料の今大会で大ギャラリーが押し寄せる中、裏街道の10番(パー4)からスタート。ティーショットで左の林に曲げてボギー発進としたが、その後の11番(パー4)にすぐさまバーディーを奪った。16番から2連続バーディーを取って迎えた18番(パー5、525ヤード)では、ピンまで残り145ヤードを9番アイアンでピン2メートルへ2オンしてイーグル。後半も4バーディー(1ボギー)を奪う圧巻の内容に、「ショットもパットも狙った所に打てていた」と胸を張る内容だった。
ツアー通算48勝の中嶋常幸(68)が主宰する「トミーアカデミー」出身。前夜には、今大会のテレビ中継で解説を務める師匠と食事に行き、「解説できるところにいてくれよ」と発破をかけられていた。「まだ優勝の可能性はある。解説していただけるのが、一番の恩返し」と気合十分で臨んだムービングサタデーだった。
「もちろん優勝が狙える位置だし食らいついていきたい。無理に攻めてワンオンを狙ったり、ドライバーを握るだとかそういうことはせずに、できることだけをいつも通りにやれれば。ショットの状態はすごいいいので、チャンスがあると思って全力でプレーしたい」。怪物リッキーが、富士の麓で力を発揮する。