三井住友VISA太平洋マスターズ第2日(11日、太平洋クラブ御殿場C=7262ヤード、パー70)首位と3打差の5位から出た勝俣陵(26)=JPアセット証券=が、67で回り通算6アンダーの2位に浮上した。66をマークして同じく2位の石川遼(31)=CASIO=とはともに練習を行う仲。待ち焦がれた先輩との優勝争いに闘志を燃やす。66と伸ばした岩田寛(41)=フリー=が通算8アンダーで単独首位。50回記念の今大会は全日入場無料で行われる。
憧れの人が目の前に立ちはだかる。今季初めてツアーに本格参戦する勝俣が、4バーディー、1ボギーの67で首位に2打差の2位につけ決勝ラウンドへ。同じ〝りょう〟の名を持つ石川との優勝争いに声も弾んだ。
「出身も同じ埼玉で名前も一緒。次に〝りょうくん〟って呼ばれるのは、僕って気持ちはありますね(笑)」
持ち味は今季平均飛距離300・59ヤード(6位)のドライバーショット。この日は3番(パー5)で2オンに成功してバーディーを先行。その後も3バーディーを奪った。「もう僕は(上に)行くしかない状況なので」。現在賞金ランクは102位だが、優勝なら一発でシード獲得で、その好機が巡ってきた。
石川とは練習もともにする間柄。2020年の「日本オープン」最終日に2人での同組になった際、「練習させてください」と直訴したという。昨年4月の「関西オープン」ではキャディーを務めて「練習ラウンドの仕方から考え方まで勉強になった」という。元々上がり症の性格は、大舞台でも冷静さを保っている。
石川と最終組でのラウンドを控え「すごい楽しみでしようがない」。成長の証明は結果で示す。(阿部慎)
▼勝俣 陵(かつまた・りょう) 1995(平成7)年12月27日生まれ、26歳。埼玉・三芳町出身。14歳からゴルフを始める。埼玉栄高3年時の「関東高校選手権」で団体・個人2冠を達成。日大に進み、3年生だった2016年には「埼玉オープン」で優勝。17年12月にプロ転向。昨季「ABEMAツアー」で賞金ランク12位に入り、今季からレギュラーツアーに本格参戦。得意クラブはアイアン。174センチ、73キロ。