伊藤園レディス第1日(11日、千葉・グレートアイランドC=6741ヤード、パー72)メルセデスランキングトップの山下美夢有(みゆう、21)=加賀電子=が、6バーディー、ボギーなしの66で回り、単独首位で好発進した。史上最年少の21歳103日での年間女王初戴冠に向け、優勝が絶対条件。緊張の中で好ラウンドを見せた。同ランク2位で逆転女王を狙う西郷真央(21)=島津製作所=は、2打差の4位でスタートした。
女王に輝く瞬間が、また少し近づいた。山下が66を出し、単独首位でスタートダッシュに成功。白い歯をこぼした。
「前半はショットのブレがあったけど、リカバリーができた。初日に伸ばせないのが課題だったけど、久しぶりに6アンダーまで伸ばせました」
1番(パー4)は2打目でグリーンを外し、いきなりピンチ。3打目も寄せきれず2メートルを残したが、沈めてパー。4、5番と連続バーディーで流れに乗ると、10番で1・5メートル、11番(ともにパー4)で30センチにつけ連続バーディー。13番は7メートル、14番は3メートルを沈め、ショットとパット両方が冴えて6つのバーディーを奪った。
優勝が栄光への絶対条件のプレッシャーの中、修正力が光った一日だった。序盤はショットがはまらずチャンスの回数が少なかった。変化があったのは6番。「フィニッシュをとったときにタイミングが遅れていて。若干リズムが速くなっていた」と気づき、すぐさま対応。以降はいつもの自分で乗り切った。
今季から女王争いがポイント制のメルセデスランキングに一本化され、争いも佳境。山下が今大会で優勝し、2位の西郷が単独4位以下であれば初戴冠が決まる。ライバルの西郷は4位発進だった。山下は「意識はしていないです。いつもと変わらず」と自然体を貫く。
初日の順位のまま逃げ切れば、2007年女王の上田桃子が記録した21歳165日での戴冠を更新する21歳103日の最年少女王が誕生する。勝負の週末へ、「伸ばしあいの戦いになると思う。しっかりマネジメントして、アンダーパーで回りたい」。静かに闘志を燃やす山下が、1着でのゴールに突っ走る。(高橋朝香)
★年間女王が決まる条件 今大会終了時に年間女王が確定するには、今大会の山下の優勝が必須。その場合、ランク2位の西郷が単独4位以下、8人以上の2位タイなど西郷の順位によって山下の女王が決まる。数字上、前週までで女王になる可能性があるのはランク3位の稲見萌寧、同4位の西村優菜まで。稲見は今大会で山下より13・42ポイント多く獲得することが必須。西村は今週を含め今季残り3戦全てで優勝した上で、山下の順位によって可能性を残す。