<特報>古巣、学閥…事件の背景に複雑な「高橋人脈」

産経ニュース

東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件では、捜査の進展とともに、大会組織委員会元理事の高橋治之被告(78)=受託収賄罪で4回起訴=を〝交差点〟とする複雑な人間関係が浮かび上がった。幅広い人脈を背景に、五輪を巡る前代未聞の疑獄は5ルートにまで広がった。

電話で呼び出し…

「森さん、呼んでみようか」。関係者によると、平成27年10月、組織委理事だった高橋被告は東京都内の料亭で会食中、同席していた広告会社「ADKホールディングス」前社長の植野伸一被告(68)=贈賄罪で起訴=や同社元幹部、久松茂治被告(63)=同=にこう話すと、携帯電話を操作し始めた。

しばらくして料亭に現れたのは当時、組織委の会長だった森喜朗元首相(85)。10分程度、顔を出すと、その場を去った。「高橋被告は森氏とも昵懇(じっこん)なのだと思った。電話で呼べるとは驚いた」。久松被告は、特捜部の調べにそう語ったという。

その後の30年3月、植野被告は都内の飲食店で再び高橋被告と向き合った。関係者によると、同席していたADKの社外取締役だった男性は、特捜部の調べに「会合で植野被告が『1社くらい紹介してください』と発言し、高橋被告が『分かった』と応じていた」と供述したという。

贈収賄事件では贈賄側が何を依頼し、収賄側がどう応えたかの立証が求められる。特捜部は、この会合が植野被告自身も高橋被告に依頼(請託)をした場面の一つとみているもようだ。

また特捜部は、ADKの現場レベルで送受信されたメールも押収。五輪事業に関し、高橋被告に相談することを検討していた内容が含まれているといい、客観証拠の一つに位置付けているとみられる。

多彩な交友関係利用

他のルートでも、高橋被告は自身の「力の源泉」である交友関係をフル活用した。紳士服大手「AOKIホールディングス」前会長の青木拡憲(ひろのり)被告(84)=同=や出版大手「KADOKAWA」前会長の角川歴彦(つぐひこ)被告(79)=同=らと行った会合にも、森氏が同席することがあった。

幼稚舎から大学まで過ごした「慶応」も、高橋被告に欠かせないものだった。

組織委の副会長を務めた日本オリンピック委員会(JOC)前会長、竹田恒和氏(75)は、慶応幼稚舎からの後輩。高橋被告が理事就任前の25年11月、植野被告と初めて会食の場を持った際、竹田氏も顔を出していたという。

玩具会社「サン・アロー」元社長の関口芳弘被告(74)=贈賄罪で在宅起訴、賄賂の受け皿となったコンサルティング会社「アミューズ」(解散)元代表取締役の松井譲二被告(75)=収賄罪で在宅起訴=も、慶応大で竹田氏の同級生に当たる。

そして、専務まで務めた広告大手「電通」。高橋被告が働きかけをしたとされる組織委の幹部も、電通からの出向者で後輩。アミューズと同じく受け皿の役割を果たしたコンサル会社「コモンズ2」元代表の深見和政被告(73)=受託収賄罪で起訴=も、電通の雑誌局長だった。

検察関係者は「高橋被告は(贈賄側に便宜を図るのに)森氏らの力を必要としていない。今回の事件は高橋被告の事件だ」と話した。(吉原実、桑波田仰太、石原颯、末崎慎太郎)

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