その年のプロ野球の発展に貢献した監督、選手らに贈られる「正力松太郎賞」の選考委員会が8日、東京都内で開かれ、オリックスをリーグ連覇、26年ぶりの日本一に導いた中嶋聡監督(53)が選ばれた。球団では1996年の仰木彬監督以来、26年ぶり3人目、監督としては2人目の受賞となった。また日本選手としてシーズン最多の56本塁打をマークして三冠王に輝いたヤクルト・村上宗隆内野手(22)を特別賞とすることを決めた。副賞として、正力賞には年間表彰では国内最高額の500万円、特別賞には300万円が贈られる。
選考委員は王貞治(82)=ソフトバンク球団会長、杉下茂(97)=元中日など監督、中西太(87)=元西鉄など監督、山本浩二(76)=元広島監督、門田隆将(64)=ノンフィクション作家=の5氏。王、中西両氏は欠席で委任状を提出し、座長は山本委員が務めた。
門田委員によると、王委員は委任状の中で村上を推薦した。委員会の結論に一任するとした中西委員を除く4委員は、杉下、門田両委員が中嶋監督、王、山本両委員が村上を推し、今年は特別賞を設けることで一致。最終的に、これまで日本一監督の受賞が多いことから正力賞に中嶋監督、特別賞に村上が決まった。過去には1994年に巨人・長嶋茂雄監督とオリックス・イチロー外野手、2003年にダイエー・王貞治監督と阪神・星野仙一監督、12年に巨人・原辰徳監督と阿部慎之助捕手が正力賞を同時受賞した例があるが、13年以降は1人を選ぶことになっている。特別賞は2004年のマリナーズ・イチロー外野手、13年の楽天・田中将大、21年の稲葉篤紀日本代表監督とエンゼルス・大谷翔平投手に続いて5人目。