ベテラン記者コラム(369)

「6万5188人」オールブラックス戦の〝波〟をビッグウエーブに

サンスポ
国立競技場で行われた日本対ニュージーランドの試合には多くの観客が詰めかけた
国立競技場で行われた日本対ニュージーランドの試合には多くの観客が詰めかけた

10月29日、ラグビーの日本代表とニュージーランド(NZ)代表が国立競技場で戦ったテストマッチに、6万5188人の観客が詰めかけた。改修後の国立競技場入場者の新記録。それまでが今年7月20日に行われたサッカーのJ1川崎-パリSGの6万4922人。ラグビーという競技で記録をつくったのは、少し誇らしい。

先日、明大八幡山グラウンドへ取材に行ったとき、神鳥裕之監督とNZ戦の雑談になった。1974年に大阪で生まれた神鳥監督は、1987年のNZ代表初来日を覚えている。74-0で日本を粉砕した花園での第1戦を、現地観戦したという。

「NZには、日本がどうあがいても、一生かかっても勝てないと思っていました。それぐらい次元の違うチーム」

そんな監督の言葉に、筆者は大きくうなずいた。全く同感だった。同年の第1回W杯(NZ、オーストラリアで共催)を取材した筆者は、NZの質が違うポゼッションラグビーに、おおいに感銘を受けたものだ。初代世界王者の肩書をひっさげての来日。日本は2戦目で1トライを返したが、スコアは4-106(当時トライは4点)に開いた。

そんなNZに日本が31-38の大善戦、いや善戦といっては、本気で勝ちにいっていたジャパンの選手たちに申し訳ない。試合後のファンの間では、ああすれば勝てた、こうすれば負けなかったという議論も白熱した。何より選手たち自身が、勝てなかったことを悔しがり、悔いていた。

「それだけでも隔世の感があります。NZ相手に勝ち負けの土俵に乗れていることがすごい」

感に入ったように話した神鳥監督は、さらに続けた。

「われわれの次の試合(11月6日の慶大戦=熊谷)にも、お客さんが入ってくれたらうれしいですね」

その願いは現実となったと思う。筆者も熊谷へ取材に行ったが、キックオフ1時間前に駅についてエスカレーターを降りると、バス停には長蛇の列。タクシー乗り場にも車はなく、乗車待ちの人たちの長い列。甘く見ていた…。

仕方なく、ラグビー場まで約4キロの道を歩いた。熊谷で歩くのは久しぶり。秋晴れの中を50分、キックオフ直前に記者席にたどり着いた。この日(帝京大-早大との2試合)の入場者は約7000人。秩父宮だったら1万人を超えていたかもしれない。

これもNZ戦の波及効果だと思う。2019年W杯の熱が、その後のトップリーグにも及びかけたが、新型コロナウイルスのパンデミックで尻すぼみとなった。大学ラグビーはいよいよ佳境に入り、12月17日には2季目のリーグワンが開幕する。波をさらに大きくするためにも、イングランド、フランスと戦うジャパン戦士に、NZ戦以上の感動的な試合を期待したい。(田中浩)

  1. NHK朝ドラあすの「舞いあがれ!」12月8日OA第49話あらすじ ソロフライト訓練の着陸で舞(福原遥)はまたもセンターラインを外し…

  2. 【虎のソナタ】思わぬ大物が阪神へ移籍してくるかも 12・9現役ドラフトは大注目

  3. NHK朝ドラあすの「舞いあがれ!」12月9日OA第50話あらすじ 特訓が続き舞(福原遥)が発熱、悠人(横山裕)は両親に近づこうとせず…

  4. NHK朝ドラあすの「舞いあがれ!」12月7日OA第48話あらすじ 予習に姿を現さなかった柏木(目黒蓮)の部屋を訪ねた舞(福原遥)は…

  5. 「殺害」も示唆 プーチン大統領の盟友が公然批判 要衝ヘルソン撤退でタブーだった批判が噴出 国内の権力闘争が激化する可能性も