TOTOジャパンクラシック第3日(5日、滋賀・瀬田GC北C=6616ヤード、パー72)米ツアーと日本ツアーを兼ねる大会。67で回って通算10アンダーとした西村優菜(22)=スターツ=が14位から首位と4打差の4位に浮上し、米ツアーの来季シードが付与される優勝に望みをつないだ。68と伸ばした上田桃子(36)=ZOZO=が初日からの首位をキープ。1打差の2位にジェマ・ドライブラ(29)=英国、さらに1打差の3位に山下美夢有(21)=加賀電子=がつけた。
難しい4メートルの下りのラインを、きれいに沈めた。最終18番(パー5)。V圏内に踏みとどまるバーディーに、西村は小さく拳を握りしめた。
「上が伸ばしていたので、少しでも伸ばしておきたかった。なかなか差が詰まらないなあと思っていたけど、最後にいいのが入ってくれました」
尻上がりに調子を上げてきた。初日は70で18位。2日目は69で14位。この日は6バーディー、1ボギーの67で4位に浮上。首位との差も5打から4打に近づいた。
「この3日間は、チャンスをつくるために頑張ってきた。最後まで一生懸命に頑張りたい」
この大会は唯一の日米ツアー共催ながら、コロナ禍で一昨年と昨年は日本ツアーの単独開催。3年ぶりに米ツアーとしても開かれる今年は、従来通り日本ツアーのメンバーが優勝すれば米ツアーの来季シードが手に入る。西村は10月に米ツアー挑戦を宣言。来季の出場優先順位を決める12月のQシリーズ(最終予選会)の出場を決めたが、願ってもない最短ルートの復活だった。
「最終日を迎えるときにいい位置にいられたらと思い、必死にプレーしてきた。そこをクリアできてすごく良かった」
4打差を追う最終日。「来年の大会に米ツアーメンバーとして出場できたらいいなあ」と願う西村の日本ツアー6勝のうち、2020年の初優勝から3勝目まではすべて最終日の逆転だった。それも6打差、3打差、5打差をひっくり返すド派手な勝ち方。最短ルートで米国行きの切符をつかみ取る力は、十分に持っている。(臼杵孝志)