議論加速の背景に2つの難題 原発の運転延長

産経ニュース
東京都内で開かれた原子力規制委の会合。原発運転期間の規制見直し案を示した=2日午後
東京都内で開かれた原子力規制委の会合。原発運転期間の規制見直し案を示した=2日午後

原子力規制委員会は2日、原発の運転期間を「原則40年、最長60年」とする現行制度を撤廃する政府方針を踏まえ、長期運転の安全を確保する規制見直し案を示した。背景には、ロシアによるウクライナ侵攻を背景としたエネルギー危機と気候変動対応という、日本が直面する2つの難題の克服には、既存の原発を最大限活用する必要があるという事情がある。

東京電力福島第1原発事故から10年以上がたつが、原子力規制委員会の審査を通過し、再稼働を果たした原発はわずか10基だ。全電源に占める原発の割合は、事故前の30%前後から3・9%(令和2年度)まで低下している。

その結果、太陽光発電などの再生可能エネルギーと火力発電の割合が増加したが、再エネは天候に左右されるため、電力不足が常態化。化石燃料を燃やす火力発電は脱炭素化の流れの中で削減が求められるようになってきた。昼夜を問わずに安定した発電が可能で、二酸化炭素(CO2)を出さない原発が見直され始めているのだ。

ただ、既存の原発がすべて動いても問題は残る。原則40年という運転期間の制限があるためで、これを厳格に適用した場合、2050(令和32)年に稼働している原発はわずか3基となる計算だ。政府はこの時点までに温室効果ガス排出量を実質ゼロとする目標を掲げるが、これでは達成は不可能だ。すべての原発を60年まで運転延長しても、2060年には8基となる。

政府は原発の新増設も検討するが実現には時間がかかる見通しで、運転延長の検討も合わせて進めることにした。既存原発をできるだけ長く活用する動きは世界の潮流にもなっている。(蕎麦谷里志)

  1. 「子どもに就いてほしくないなあ」と感じる職業、1位は?

  2. 【虎のソナタ】思わぬ大物が阪神へ移籍してくるかも 12・9現役ドラフトは大注目

  3. NHK朝ドラあすの「舞いあがれ!」11月29日OA第42話あらすじ 舞(福原遥)が初フライトへ!大河内(吉川晃司)が一番手に指名

  4. 吉田麻也「一番起きてはならないことが起きてしまった」 不用意パスから後半36分、悪夢の失点

  5. 【新・親も知らない今どき入試】5大商社に強い大学ランク 独走の慶大、情報化社会で理系人材を求められる東工大