「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記

坂本誠志郎よ、岡田阪神の反逆者になれ!…正妻争いが虎を強くする

産経ニュース
正妻争いが虎上昇の鍵をにぎる。試合で打球を3塁へ送球する阪神・坂本誠志郎
正妻争いが虎上昇の鍵をにぎる。試合で打球を3塁へ送球する阪神・坂本誠志郎

虎の坂本誠志郎捕手(28)よ、いい意味で〝岡田プラン〟の〝反逆者〟になってください。15年ぶりに阪神監督に復帰した岡田彰布新監督(64)は秋季練習から指導を開始。来季に向けたチーム改革の柱として「捕手の固定」を掲げています。矢野燿大前監督が指揮を執った今季は梅野がスタメン出場80試合で坂本が同50試合、長坂が同13試合でした。新監督の言葉をそのまま受け取ると「来季は梅野正妻」がうかがえますが、捕手出身の前監督がスタメンで50試合も起用し、キャプテンまで任命した坂本は黙ってポジションを奪われていいのですか? チーム内競争を激化させる意味でも〝徹底抗戦〟の姿を見せて欲しいものですね。

オリの日本一には球団や本社の正しいビジョン

同じ関西を本拠地にするオリックスが26年ぶり5度目の日本一に輝きました。このコラムは「トラ漫遊記」なので、あまり(いや全然…笑)オリックスのことは触れたことはありませんが、長い低迷期を経てチームを大改革し、プロ野球界の頂点に立ったことは大絶賛されるべきでしょう。

ヤクルトを5対4で下し対戦成績を4勝2敗1分けとした日本シリーズ第7戦の神宮球場(10月30日)では、中嶋聡監督(53)が5度胴上げされ、その後には1988(昭和63)年のオフに阪急から球団を買収した宮内義彦オーナー(87=オリックス本社シニア・チェアマン)も夜空に舞いました。福良淳一ゼネラルマネージャー兼チーム編成部長(GM)が選手をねぎらっている姿もありましたね。

2000年に入って以降のオリックスは阪神に負けず劣らず?大暗黒時代を迎えています。リーグ優勝を飾った昨季までの22シーズンでAクラスはたったの3度(08年、14年と昨季)だけ。9度の最下位を含めて4位以下ばかりでした。それが中嶋聡監督が就任した昨季にリーグ優勝を果たすと、今季もソフトバンクと同率ながら直接対決で勝ち越していたためリーグを連覇。1996年以来の日本一にも輝いたのです。

頑張った選手達はもちろん、大逆襲を果たした裏側にはチーム強化に尽力したオーナーをはじめ、球団の努力もあったはずです。チームが強くなるには現場だけが汗を流せばいい…というものではなく、本社や球団の正しいビジョンに基づく戦力編成が大事である-ということを日本一達成直後のオリックスの風景が言い表していました。

岡田監督はポジション固定を強調

さて、話を阪神に移します。15年ぶりに阪神監督に復帰した岡田新監督は甲子園球場で行われた秋季練習から指揮を執りました。あす2日からは高知・安芸タイガータウンで秋季キャンプを行います。

すでに、さまざまな〝岡田カラー〟が報道されています。その中でも、強調されていたのはポジションの固定です。今季までの矢野阪神では佐藤輝や大山もさまざまなポジションを守っていました。大山は一塁や左翼や右翼。佐藤輝も三塁や右翼、時には二塁…なんて試合もありました。「野球は守り」という岡田新監督はポジションを固定し、それぞれに責任感を植え付け、固定されたポジションでスキルを磨くことを求めています。基本形は大山一塁、佐藤輝三塁でしょうね。

自身が現役時代、主に二塁を守ったこともあり、二遊間の関係性、呼吸も大事にしています。練習では二遊間の連携プレーを何度も繰り返し練習させていました。日々の練習の中から新しい二塁手と遊撃手も決まっていくのでしょう。今季までエラー数のリーグワーストが続いている阪神は守りの面から変貌を遂げるのではないか…という期待感が増しています。

こうした中で、新監督は扇の要である捕手についても「固定」を理想としています。2020年まで3年連続でゴールデングラブ賞に輝いている梅野を主戦捕手にしたいと考えているようですね。肩が強く、投手が低めに投げるワンバウンド捕球も上手です。打撃もチャンスに強く、誰が見ても阪神の正妻の座の最短距離にいるのは梅野でしょうね。

このコラムでも「梅野を主戦に」と何度か書いた覚えがあります。なので、梅野が岡田構想を体現し、140試合近くスタメン捕手で出場してくれれば、来季のディフェンスは安定するとも思います。

坂本は岡田構想に徹底抗戦を

しかし、一方では坂本に対して「岡田構想に徹底抗戦せよ」とけしかけたい思いもあります。今季のスタメン出場は梅野の80試合に続き坂本は50試合。長坂が13試合です。起用したのは矢野前監督です。今さらですが、矢野前監督は現役時代、捕手でした。野村克也監督の下で正捕手の座に就き、そこから星野監督、岡田監督の時代に正妻としてタイガースのホームベースを守ってきたのです。

つまり、矢野前監督は捕手目線で梅野と坂本を比較し、その上で併用策を用いたわけです。〝矢野捕手〟は捕手としての長所短所を比較検討した上で梅野を80試合、坂本を50試合スタメン起用したわけです。さらに前監督は坂本をチームのキャプテンにも指名。捕手としての攻守の評価だけではなく、キャプテンシーにも期待していたのですね。

岡田新監督は来季以降もキャプテンを置くのか?という質問に対して「キャプテンと選手会長はどう違うのか?」と言い、キャプテン制は敷かない方針です。坂本からキャプテンの肩書も外す…ということです。

監督には当然それぞれのカラーや考え方がありますね。「前任者否定」を強く打ち出す指揮官もこれまで見てきました。なので、岡田監督の発言には驚きはありません。17年もリーグ優勝から遠ざかっているチームです。なにがチーム強化に最も適しているかを考えて、それを即実行するのは当然です。

強いチームは選手がポジションを奪い合う

ただ、坂本にはここで落ち込まず、発奮して欲しいと思っています。捕手出身の監督が50試合もスタメンで起用し、キャプテンシーに期待したのです。素質があるからこそ抜擢したのでしょう。岡田構想が「捕手固定」ならば、梅野と競い合い、結果で勝てばいいのです。プロ野球という世界の普遍の定義です。「結果を残した者がポジションを奪う」-コレです。

岡田監督が現役時代に話していたことをまだ覚えています。強いチームと弱いチームの差について、こんなことを言っていました。

「弱いチームは選手にポジションが与える。なんとか選手にポジションに就いて欲しい…と首脳陣が配慮してポジションを与える。強いチームは違う。選手同士が競い合い戦って、勝った者がポジションを奪う。競争に勝った者だけがポジションを得るのでチームも結果的に強い」

確か、こんな話だったと思います。この発言を思い出した時、梅野と坂本の姿が目に浮かびました。与えられた正妻では「弱い」わけです。結果的に梅野が正妻になるにしろ、坂本との激しいポジション争いの勝者として就いて欲しいものです。逆に坂本が梅野に競り勝ってもいいわけです。ポジションの固定という言葉はレギュラーの固定化と同意語ではありません。力がある者がレギュラーですね。坂本には岡田阪神に強烈な競争意識を芽生えさせる〝反逆者〟になって欲しいと思っています。

【プロフィル】植村徹也(うえむら・てつや) 1990(平成2)年入社。サンケイスポーツ記者として阪神担当一筋。運動部長、局次長、編集局長、サンスポ特別記者、サンスポ代表補佐を経て産経新聞特別記者。阪神・野村克也監督招聘(しょうへい)、星野仙一監督招聘を連続スクープ。

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