中華料理チェーン「餃子の王将」を展開する王将フードサービスの社長だった大東(おおひがし)隆行さん=当時(72)=が平成25年に京都市山科区の本社前で射殺された事件で、銃撃に使われたのはイタリア製の小型拳銃とみられることが1日、捜査関係者への取材で分かった。京都府警と福岡県警の合同捜査本部は、殺人容疑などで逮捕された特定危険指定暴力団工藤会(北九州市)系組幹部の田中幸雄容疑者(56)が使用したとみて入手経路を調べている。
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捜査関係者によると、事件で使われた拳銃は見つかっていないが、現場に残された薬莢(やっきょう)や弾丸の大きさなどを鑑定した結果、25口径のイタリア製自動式拳銃から発射されたと特定した。殺傷能力は低いとされるが、小型で扱いやすく発砲音も小さい特徴がある。事件発生当時、はっきりとした銃声を耳にした住民はいなかったという。
大東さんは25年12月19日午前5時45分ごろ、王将フードサービス本社前の駐車場で車を止めて降りた直後、胸や腹に4発の銃弾を受けて死亡。至近距離から撃たれたとみられ、銃弾はすべて急所に命中していた。現場には薬莢が4個落ちていた。
田中容疑者は、福岡市で20年に大手ゼネコン「大林組」の車を銃撃した事件に関与したとして、銃刀法違反罪などで懲役10年の判決が確定し、今回の逮捕時は福岡刑務所に服役していた。判決によると、拳銃で4発撃って車のフロントバンパーなどに命中させ、バイクで逃走した。