山際氏には、立憲民主党の議員が信仰について問いただす場面があり、「ひどいことをするな」と同情したが、自民党すら大して問題にはせず、メディアにもあまり取り上げられなかったのは不思議だった。
昨日の予算委終了後、山際氏は辞表を岸田文雄首相に提出し、「公開リンチ」はようやく終了した。産経新聞によると、岸田首相は更迭理由について、「山際氏は『知りません』『答えられない』ばかりなので、辞めてくれと言いました」と語ったという。
岸田首相としては、もう少し謝るとか、下手に出てくれればという不満があったのだろうか。ただ、山際氏がどう答弁しようとも、野党もメディアもそして国民も、「山際はクビ」と決めていた。それは岸田首相も分かっていたはずだ。
フジテレビの取材で、岸田首相は「補正予算の審議に影響あるから辞めてもらった」と語ったという。
岸田首相は、臨時国会が始まって最初の予算委員会で山際氏に説明させた。それは説明責任ということだ。山際氏の答弁は予想していたとはいえ満点ではなかった。この後は28日に総合経済対策を決定し、その後、補正予算審議が行われる。
山際氏では審議が進まないので、このタイミングで粛々と交代させた、ということなのだろう。これは岸田首相にとって予定通りの更迭だったのではないか。 (フジテレビ上席解説委員)