防衛省は21日、弾道ミサイル防衛(BMD)用の迎撃ミサイルが必要量の6割程度しか確保できていないとの試算を明らかにした。弾薬の充足率の公表は迎撃能力を明らかにすることになるので異例。能力が十分発揮できない恐れがあり、深刻な予算不足の状況が改めて判明した。
自衛隊のBMDは、海上のイージス艦から発射するSM3ミサイルと、地上配備型の「地対空誘導弾パトリオット(PAC3)」の2段構え。技術の高度化により、1基当たりの価格が上昇傾向にある。
一方、弾薬の予算額は過去30年間、ほぼ横ばいで推移。迎撃ミサイルの充足率を試算した結果、6割程度しかなかった。防衛省の担当者は「抑止の観点で問題の上、事態が起こった場合に迎撃部隊が十二分な対応をできないことになる」と述べ、予算確保を急ぐ考えを示した。