「末永く寄り添って」 両陛下沖縄ご訪問 待ちわびる関係者

沖縄から派遣された「豆記者」と懇談される天皇、皇后両陛下=平成27年8月4日、東京都港区(宮内庁提供)

令和初となる22日からの天皇、皇后両陛下の沖縄ご訪問。折しも本土復帰50年という節目の年に上皇ご夫妻の思いを引き継ぎ、沖縄に足を運ばれる両陛下に、ゆかりの関係者からは「末永く寄り添って」「今の沖縄を知っていただきたい」と期待の声が上がった。(橋本昌宗、緒方優子)

「ここの方々は皆さん一家で亡くなりました」。平成9年7月、沖縄県糸満市摩文仁(まぶに)の「平和の礎」に足を運ばれた両陛下に、当時県知事公室長だった粟国(あぐに)正昭さん(79)は、碑に書かれた犠牲者の名前を指して、こう説明した。

一家全滅となったことを示す、同じ名字の人名がずらりと並ぶ碑には、戸籍簿が消失するなどして名前が判然としない「子」「長女」などの記載もある。沖縄戦の壮絶さを表す碑を前に、「両陛下は名前をのぞき込み、静かに受け止めておられた」(粟国さん)。

皇后さまは11年の歌会始で《摩文仁なる 礎(いしじ)の丘に 見はるかす 空よりあをく なぎわたる海》との歌を披露された。「あの時、平和の礎から見えた海や、多くの人が亡くなった海岸を印象的に思われたのでは」。粟国さんはこう推しはかり「両陛下にはこれからも沖縄に寄り添っていただけたら」と願った。

「沖縄には、今なお様々な課題が残されています」

今年5月、天皇陛下は沖縄の本土復帰50年の記念式典にオンラインで臨席し、お言葉でこう述べられた。

「言葉を選びながらも、沖縄が抱える問題に対する認識をしっかりと示された」。沖縄の子供たちが本土を訪れて記事を書く「豆記者」事業で、皇室と子供たちの交流に立ち会ってきた沖縄県豆記者交歓会顧問の川満茂雄さん(76)は、そんな印象を抱いた。

皇室と豆記者の交流は沖縄の本土復帰前に始まり、上皇ご夫妻から両陛下、秋篠宮ご夫妻へと受け継がれてきた。川満さんは「世代を超えて交流を続けられてきたことそのものが、平和への思いを引き継がれているということの象徴」と受けとめる。

一方、皇室が戦後生まれの天皇に代替わりしたのと同様、沖縄でも多くが「戦後世代」となった。「上皇ご夫妻の思いを継承しながらも、両陛下には今の沖縄の人々と接し、新しい沖縄を見て、感じていただきたい」。川満さんは、今回のご訪問にそう、期待を寄せた。

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