自民、公明両党は19日、政府が年末までに改定する国家安全保障戦略(NSS)や防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画の「戦略3文書」に関し、実務者によるワーキングチーム(WT)の初会合を開いた。ロシアに関してはウクライナ侵攻を踏まえ、情勢認識を厳しく表現する方針を共有した。
WTは自民7人と公明5人で構成。座長に自民の小野寺五典安保調査会長が、座長代理に公明の佐藤茂樹外交安保調査会長が就いた。
小野寺氏は会合で「しっかりとした抑止力を持ち、平和な国として存続できるよう議論を重ねたい」と強調した。佐藤氏は「現実を直視し、防衛力の中身と予算、裏付けとなる財源について活発な議論を展開したい」と語った。
会合では、国際情勢をテーマに据え、政府側から現状認識を聞いた。両党の議員からは、ロシアについて「力による一方的な現状変更を試み、国際秩序を踏みにじるような行為に及んだ。厳しい情勢認識を(3文書に)書くべきだ」といった意見が相次いだ。
海洋進出を強める中国なども議論したが、書きぶりは引き続き協議を重ねる。
WTは両党幹部で構成する与党協議会の下部組織。12月中旬ごろまで週1~2回のペースで会合を開き、「反撃能力」(敵基地攻撃能力)の保有や経済安全保障、サイバー、防衛産業などのテーマについて実務者レベルで議論する。