日本には危険な兆候が現れている。テロを礼賛、ないしは擁護・容認するような風潮がまかり通っていることである。これは、「自由・民主主義社会の危機」だ。なぜなら、いかなる主義主張を唱えようとも、言論によって社会を変革するのが自由・民主主義社会だからだ。暴力によって他者の言論を封殺するようなことがまかり通れば、自由・民主主義社会は崩壊する。
重信房子氏が16日、講演を行ったとの報道があった。彼女はテロ組織「日本赤軍」の最高幹部だった。彼女の仲間が1972年5月、イスラエルのテルアビブ空港で自動小銃を乱射し、無辜の民、約100人を殺傷した。許されざるテロ事件である。
この事件について、彼女は著書『りんごの木の下であなたを産もうと決めた』で、次のように記している。
「アラブにとって、今も輝く国際連帯の金字塔は、『リッダ空港襲撃作戦』(=日本赤軍はテルアビブ空港をリッダ空港と呼ぶ)です」
自分たちのテロによる虐殺が「輝く国際連帯の金字塔」だと誇るのだから、あきれるより他にない。