小林繁伝

小林の気迫「相手エースとの対戦、不満ない」 虎番疾風録其の四(111)

産経ニュース
広島の池谷に投げ勝ち、完投で14勝目を挙げた巨人の小林=昭和51年8月18日、広島球場
広島の池谷に投げ勝ち、完投で14勝目を挙げた巨人の小林=昭和51年8月18日、広島球場

8月18日、小林が広島戦のマウンドに上がった。相手は7月のMVPに輝いた池谷。

「ボクは池谷と刺し違えるつもりでいるんです。お互いに顔を合わせたら、対戦成績を五分にもっていきます。そうすればチームの対広島戦は五分以上になるはずです」。ここまで池谷とは2勝2敗。チームは広島に12勝8敗。小林の言葉通りだった。


◇8月18日 広島球場

巨人 000 050 000=5

広島 001 000 011=3

(勝)小林14勝6敗 〔敗〕池谷16勝7敗1S

(S)加藤10勝4敗7S

(本)シェーン⑭(小林)


三回に1点を先取されたが、小林は気迫のこもった投球をみせた。九回、シェーンに一発を浴び、加藤に後を託したものの8回⅓を投げ8安打4奪三振2失点。池谷に投げ勝ち、堂々の14勝目だ。

実はこの試合の前日、ライトが杉下コーチに「明日の試合はオレに投げさせてくれ」と直訴していた。理由はこうだ。

「巨人は池谷にさんざんに痛めつけられている(5敗)。オレが必ず仇(かたき)をとってやる。それに小林が相手のエースばかりと当たって気の毒だ。たまにはエース以外の投手にぶつけて勝たせてやりたい」

たしかに小林の6敗は星野2、池谷2、奥江1、安田1。巨人戦に手ぐすねを引いて待ち構える大黒柱ばかり。杉下コーチは試合当日になっても悩んでいた。思いあぐねた挙げ句、小林を呼んでライトの申し出を話した。黙って聞いていた小林はこう言ったという。

「杉下さん、やはりきょうはボクに投げさせてください。相手のエースばかりと当たるのは、ボクがそれだけ力をつけてきた証拠ではないでしょうか。喜びこそすれ不満なんかありません」

小林の言葉に杉下は感動した。

「ライトの心意気もうれしかったが、コバ(小林)の返事はそれ以上にうれしかった」

ひときわ輝いた小林の14勝目だった。(敬称略)

ここで3度目の小休止。『小林繁伝』は11月下旬から再開します。

■小林繁伝112

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