日露戦争で被弾したロシア・バルチック艦隊の輸送船「イルティッシュ号」の乗組員200人以上を住民が救助したことを語り継ぐ「ロシア祭り」が16日、島根県江津市の和木町地区であった。小学生ら参加者は地域とロシアのつながりに理解を深め「町の誇りにしていく」と誓った。
明治38年5月27日、日本海海戦に参加したイルティッシュ号は対馬沖で日本艦隊の砲撃を受けた後、和木町の沖約2キロで動けなくなり、その後沈没。住民は海中に飛び込み、乗組員が乗るボートを引っ張るなどして救助に当たったという。
祭りでは、地元の小学5年生33人が救助劇を一斉に朗読。過去の祭りの映像も流された。小学5年の滝田晃大さん(10)は「僕たちも困っている人に優しくし、助けてあげたい」と話した。ウクライナで続いている軍事侵攻については「戦争をせずに解決できたらいいな」と願った。
祭りは例年5月に開催しているが、今年は新型コロナウイルスと「国際情勢の悪化」を受けて延期していた。