東京五輪・パラリンピック開催から1周年を記念する「東京レガシーハーフマラソン」と記念セレモニーが16日、大会のメイン会場となった国立競技場を中心に行われた。今年一年にわたって催された一連の記念事業を締めくくるイベントで、参加者らは新型コロナウイルス禍に翻弄されながらも選手たちが躍動した大会の感動を改めて振り返った。
午前中に実施された東京レガシーハーフマラソンは一般・障害者・車いすのランナー約1万4千人が参加。国立競技場を発着に、東京パラリンピックのマラソンコースを活用した21・0975キロを駆け抜けた。
国立競技場で夕方に始まった記念セレモニーでは、主催した東京都の小池百合子知事が「(大会は)1年延期という前例のない中で成し遂げられた。さまざまなレガシー(遺産)を発展させ、未来につないでいく」とあいさつ。男女7人制ラグビーの日本代表とフィジー代表によるスペシャルマッチや陸上競技、ブレイキンなどの競技デモンストレーションが行われ、約1万5千人の観客が声援を送った。埼玉県川口市から友人2人で訪れ、7人制ラグビーを観戦した会社員、加藤優子さん(52)は、「試合展開が早くておもしろい。初めて生で見たが、迫力に感動した」と笑顔を見せた。
会場外にはスケートボードやスポーツクライミングなど8競技が体験できるコーナーが設置された。車いすラグビーのコーナーでは、来場者が競技用車いすに座り、トレーナーの指導のもとで車いす同士をぶつけ、選手が試合中に受ける衝撃の強さを味わった。
東京都北区の小学4年、松本悠那さん(10)は、「はじめは怖いと思ったけれど楽しかった。障害者の方はこんなに怖い思いをしながらも元気をくれるので、すごいなと思った」。母の道子さん(45)も、「体の芯に響くような強い衝撃を感じた。障害者の方がこれほど激しいスポーツをするとは」と語り、スポーツの秋を楽しんだ。