宝塚歌劇団花組トップスター、柚香光(ゆずか・れい)が主演する全国ツアー「フィレンツェに燃える」「Fashionable Empire」が14日、大阪・梅田芸術劇場で開幕した。
1975年に故・柴田侑宏氏が作・演出、雪組の汀夏子主演で上演され絶賛を博した同作。愛の二面性をテーマに描かれた哀感あふれるミュージカル作品が、47年ぶりに再演された。
国家統一運動が起こり始めた1850年頃のイタリア、フィレンツェが舞台。柚香が演じる真面目で高潔な貴公子、アントニオ。奔放な弟のレオナルド(水美舞斗)とは真逆の性格で、コントラストを同期コンビの芝居で表現した。
アントニオは酒場の歌姫から貴族の未亡人となったパメラ(星風まどか)と出会い、恋に落ちるが、レオナルドはパメラが兄を破滅に導く悪女であると考え、2人を引き離すために偽りの恋を仕掛けていく、ゆがんだ兄弟愛を描いた。
カーテンコールで柚香は「お芝居はじっくりとご観劇頂ければうれしく思います。柴田先生が描かれる愛の世界は普遍的で感傷的で複雑で、はかなく、愛に生きる人間の強さも弱さも全て凝縮されている作品」と観客にアピールした。
同ツアーは大阪を皮切りに長野や名古屋など6都市を巡る。