シャープは13日、独自の空気清浄技術「プラズマクラスター」について、空気中に浮遊する新型コロナウイルスのオミクロン株派生型「BA・1」を減少させる効果を確認したと発表した。米コロンビア大の辻守哉教授らが検証した。あくまで実験環境での結果だが、プラズマクラスターイオンの濃度などは市販品と同等の数値で検証しており、辻教授は「思った以上の効果があって驚いた。さらなる検証は必要だが、期待が持てる結果だ」と話している。
同社によると、プラズマクラスターは、装置から放出されたイオンが菌やウイルスに付着した際に酸化力が強い「OHラジカル」に変化することで、感染力などを抑える仕組み。今回の検証では、102リットルの容積のボックスにオミクロン株の高濃度濃縮液を噴霧した後、プラズマクラスターイオンを含む風を送り、ウイルスの感染価の変化を調べた。
検証の結果、風を15分間送り込むことで、オミクロン株の感染価が99・3%減少することが確認された。検証時のイオン濃度は、プラズマクラスターを搭載した同社の空気清浄機の中級機を室内で使用した場合と同程度だったという。
また、同大の森宗昌准教授によって、プラズマクラスター技術がぜんそく症状の緩和につながる可能性があることも確認された。
シャープの担当者は「今回は濃度や送風などを実空間での使用時に近い状況で検証できた。感染対策への貢献に向けた大きな一歩になった」と述べた。