高級ホテル「パティーナ大阪」が建設されるNTT西日本の旧本社跡地が近接する大阪・森之宮地区は、2025年大阪・関西万博の会場となる夢洲(大阪市此花区)が市西部にあるのに対して市東部に位置しており、市を横断する「東西軸」の東の拠点として発展が期待されている。
大阪では1970年に開催された大阪万博に合わせて、千里から市中心部に向けて南北の開発が進み、現在も2031年の開業に向け、大阪都心を南北に貫く鉄道新線「なにわ筋線」の開発が進められている。
この「南北軸」に対し、府市は大阪・関西万博を機に開発が進む夢洲など湾岸地域、「未来医療国際拠点」などが建設される市中心部の中之島、さらに大阪城東側の森之宮や、その周辺地域を結ぶ東西軸の発展を目指している。
府市が令和2年にまとめた開発方針案では、森之宮やその周辺地域は「大阪の文化・観光・学術・交流機能が集積する」地域と位置付けられ、「東西都市軸の東部に位置する重要拠点」とされた。
森之宮では、今年4月に開学した大阪公立大が令和7年度に新キャンパスを開設する計画で、府市は学生や住民、観光客らが集うまちづくりを目指す考えだ。
新ホテルは大阪城の間近に位置する好立地で、ホテルに合わせて市民、観光客が集まれる広場や、観光客向けに情報提供を行う空間なども整備される。12日に大阪市内で会見したNTT都市開発の辻上広志社長は、「国際的なホテルの誘致により、国内外から訪れる多くの方々に大阪の歴史、文化を楽しんでいただけるようになる。(森之宮など)周辺地域の開発も進む予定で、それらともしっかり連携していきたい」と語った。(黒川信雄)