「Dean&Deluca」は好きで、ちょくちょく買いに行くが、最近見つけた、この三日月形のクッキーは当たりだった。イタリア菓子専門店「ラトリエモトゾー」さんの焼き菓子で、「サンペッレグリーノ」という品名。ん、炭酸水か? と思いながら、歯を入れてみると、おお~サクサクだ!
そのサクサクとともに白い大きめの、これはなんだろう、ザラメになにか技術が施してあるような形状の粒の歯触りがまたいい。こんな小さいのに焼きの技術が素晴らしいんだろう。食感の存在感がたまらない。日本で作っているとは想像もしなかった。
実は、僕のクッキーとの出合いはほろ苦いものだった。初めて食べたのが同じく目黒・碑文谷の僕の母校、トキワ松学園小学校。家庭科の実習だったのか、その子のお母さんがクッキー作りが趣味だったのか、今となっては忘却のかなただが、とにかくその日、その女の子は学校にクッキーを持参していた。
それを休み時間、教室でみんなに振る舞ったのだが、当時、小学4年で体重が80キロあった僕は常に腹ペコリーノ状態。超シャイだった僕は空腹に耐え切れず、勇気を振り絞って「僕もそれ食べていい…?」と伝えると〝キモッ〟という表情とともに「え、アンタも食べるの⁈ デブだから腹へるんだ!」と半笑いに。それを見ていた周りの女子も遠慮なく笑う。多感な時期だ。なんかむちゃくちゃ傷ついたが、ひとつつまんで頰張った。