脱対中依存を後押し 国際協力銀行の投資支援金額が3年間で4倍に

産経ニュース
国際協力銀行林信光総裁
国際協力銀行林信光総裁

覇権主義的な行動を強める中国を抑制できるかが先進国共通の課題となるなか、国際協力銀行はインド太平洋地域への出融資を積極展開し、脱中国依存の後押しに奔走している。同地域への合計出融資承諾額は2020年度までの3年間で4倍に増えた。日本企業のビジネスを金融面から支援して相手国との関係を強め、日米主導の陣営に引き込む狙いがある。

「産業サプライチェーンを中国に依存させるのが、今の中国の政策だ。地政学的、経済的なリスクを十分考えながら中国と付き合っていかなくてはならない」

国際協力銀の林信光総裁は産経新聞の取材にこう述べ、中国を巡る安全保障上のリスクに警鐘を鳴らす。出融資を判断する際は、こうした地政学的リスクを意識しつつ対象地域の分散を図り、脱炭素化やサプライチェーンの強靱(きょうじん)化といった日本が抱える課題の解決につながる案件を選んでいる。

その代表例が昨年3月に中国電力と共同で行ったフィジーの電力会社への出資と水力発電技術の提供の支援だ。フィジーは米国が主導する新経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」の参加国にも名を連ねる。

林総裁は「フィジーのような太平洋の島国は、気候変動問題に非常に敏感だ」と指摘する。2036年までに全発電量を再生エネルギーに置き換える同国政府の目標実現にも寄与する。

近年はインドに進出した日系自動車企業の協力会社や、NECが手がけるパラオ共和国の海底ケーブル敷設事業も支援した。太平洋地域向け出融資承諾額は2017年度の182億円から20年度は681億円まで増加、インド向けも380億円から1574億円といずれも4倍前後に拡大した。

日米などが対中包囲網の強化を急ぐのは、世界第2位の経済力を武器に強権的な態度で周囲を威圧する中国に対抗軸を作るためだ。

中国依存のリスクは最近も露呈している。国連貿易開発会議(UNCTAD)によると、2020年の世界製品輸出額に占める中国製品の割合は約15%に上る。その中国がゼロコロナ政策で自動車部品や半導体の製造拠点が集中する上海のロックダウン(都市封鎖)を行い、世界的な物価高の一因となるなど国際的なサプライチェーンが大混乱した。

今年に入り中国は台湾を巡り米国との間で軍事的緊張を高めている。林総裁は「台湾は半導体を始め技術的にも優れた地域だ」と語り、台湾向けの出融資にも積極的に取り組む考えだ。(根本和哉)

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