東京商工リサーチ埼玉支店と帝国データバンク大宮支店が6日発表した令和4年4~9月期の県内企業の倒産状況によると、いずれも負債総額が約1兆2千億円と前年同期を大幅に上回り過去最大となった。新型コロナウイルス禍などの影響を受けた自動車部品大手マレリホールディングス(旧カルソニックカンセイ、さいたま市)の倒産が響いた。件数も約140件と、いずれも前年同期から増えた。
東京商工リサーチの調査では、負債総額は前年同期の約70倍の1兆1529億9700万円だった。マレリの倒産は県内過去最大で、負債額は1兆1330億円に上った。マレリを除いても負債総額は199億9700万円で、前年同期(162億2300万円)より多かった。
倒産件数は前年同期比13・4%増の143件で、5年ぶりに増加に転じた。新型コロナ関連倒産は42件と前年同期の23件を大きく上回った。これまでは金融支援が奏功して件数は抑えられていたが、「増加傾向が鮮明になった」(担当者)という。
一方、帝国データバンクの調査では負債総額が同約70倍の1兆2060億1800万円。倒産件数は同11・4%増の137件で、3年ぶりに増加した。コロナ関連倒産は43件で前年同期の23件から増えた。「業績が悪化していたところに新型コロナの影響がだめ押しとなった」(担当者)。
今後の見通しについては「新型コロナに加え、原材料高やウクライナ情勢の影響で深刻化する燃料や電力不足への懸念、急激な円安など、県内企業は厳しい環境に置かれている」として、「遠くないタイミングで潮目が増勢に変化する時期が来る」と話した。