悪質カルト勧誘、学生どう守る 啓発動画やガイダンスも

産経ニュース
大阪大学が製作したカルト団体の手口を紹介する動画の一場面(ユーチューブから)
大阪大学が製作したカルト団体の手口を紹介する動画の一場面(ユーチューブから)

安倍晋三元首相の銃撃事件を機に、カルト団体や悪質商法の勧誘の実態に注目が集まっている。ターゲットになりやすいとされるのが親元を離れて生活する大学生だ。新型コロナウイルス禍でオンライン授業が当たり前になった今、心の隙間を突くような手口の横行も懸念される。事件は8日で3カ月。各大学はガイダンスを行ったり、啓発動画を作製したりし、対策に乗り出している。

大阪大(大阪府吹田市)のキャンパスを一人で歩く男子学生。そこに別の男子学生が近づき、何げない雑談が始まる。声をかけられた学生が就活中だと分かると、突如として阪大OBの「先輩」が通りかかり、「今度就活のイベントするんだけど来てみないか」。巧みな話術で学生から個人情報を聞き出す―。

阪大が学生向けに作ったカルト団体の勧誘手口を紹介する動画の一シーンだ。阪大は学生から寄せられた相談や実際の被害をもとに、平成29年から計4本の動画を作製。動画サイトで公開したり、学内の食堂やバス停のモニターで放映したりしている。

阪大がカルト団体への対策強化に乗り出したのは18年のことだ。当時、カルト団体がサークルと偽って学生を勧誘する「偽装勧誘」が学内で横行。これを機に新入生全員を対象に、カルト団体の定義や勧誘手口、対応策などを学ぶ講義の履修を義務付けるようになった。担当する太刀掛(たちかけ)俊之教授は「毎年の相談件数は数件程度だが、講義後に約20人の学生から『同じような勧誘手口にあった』と相談されたこともあった」と話す。

「当初の勧誘内容と活動内容が変わっていく団体はおかしいと思った方がいい」と太刀掛氏。だが変化に気づいたときに、すでに人間関係が構築され抜け出せない場合も多いといい、「違和感を覚えたらすぐ大学側に相談してほしい」と述べた。

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カルト団体の勧誘から学生を守ろうと、各大学も対策を強化している。

公立鳥取環境大は今年9月、カルト団体の特徴や勧誘手口を説明するガイダンスを初めて実施した。学内で実例を紹介するとともに、阪大作製の動画も活用。ガイダンスの担当者は「カルト団体の問題は身近な社会問題。勧誘を受けても、団体のことを知っているかどうかで対応が全く異なる。早めの対策が大切だ」と話した。

キリスト教系の私立大学も対応を進める。立教大は今年8月、銃撃事件の一連の報道を受け「大学が信仰的支柱とする聖公会と、旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)とは信仰的にも組織的にも全く関係ない」とする緊急メッセージを公表。さらにカルト対策の一般論として、「ボランティア活動や環境、社会問題に関心が高い学生ほどターゲットにされやすい」との現状を挙げ「少しでも怪しいと思ったら、速やかに相談してほしい」とした。

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日本脱カルト協会代表理事で立正大の西田公昭教授(社会心理学)によると、近年は交流サイト(SNS)での勧誘が活発化。ツイッターで「#春から〇〇大」というハッシュタグ(検索目印)をつけて投稿している人を見つけ、接触を図るという手口もあり、西田氏は「学内での勧誘と比べ大学側が感知しづらい」と懸念を示す。

コロナ禍で定着したオンライン授業にも落とし穴がある。「社会的に遮断された状態では、自分と周囲の考えを比較しづらく、マインドコントロールされやすくなる」と西田氏。就活を含め、大学生は人生について迷ったり考えたりする時期でもある。西田氏は「カルト団体が身近にいるということを知り、『人生の問題が解決する』といったような安易な誘いや集団活動への勧誘には注意してほしい」と呼びかけている。

(木下未希)

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