対イラン制裁相次ぐ 米に続きカナダ 欧州も検討

産経ニュース
カナダはイランの「風紀警察」など34の個人・団体を制裁対象に指定(ロイター)
カナダはイランの「風紀警察」など34の個人・団体を制裁対象に指定(ロイター)

【カイロ=佐藤貴生】イランで続く大規模な反政府デモを受け、カナダは5日までに「女性を組織的に迫害している」などとして、イランの「風紀警察」など34の個人・団体を制裁対象に指定した。カナダ国内の資産を凍結し、カナダ人との取引を禁止する。

イラン政府はデモ隊に実弾を発射して鎮圧しているとみられ、欧米で非難が高まっている。米政府が9月下旬、風紀警察などを制裁対象に指定したほか、フランスのコロナ外相は4日、欧州連合(EU)も近く対イラン制裁を行うとの見通しを示した。

イランの大規模な反政府デモは発生から3週間目に入った。長期化の背景をQ&A形式で解説する。

Q デモが起きた理由は

A 西部クルディスタン州出身のマフサ・アミニさん(22)が9月13日、「ヘジャブ」と呼ばれるスカーフで頭部をきちんと覆っていないとして、首都テヘランで「風紀警察」に拘束され16日に死亡した。警察は心臓発作が原因だとしたが、父親らが暴行の可能性を指摘し、17日からデモが始まった。

イランはイスラム教を国教とし、聖典コーランに基づき女性に全身が隠れる服装を義務付けている。ヘジャブもその一環だ。風紀警察は街頭で女性の服装を監視し、連行して指導するケースもある。

イランメディアは先週、死者は41人だとしたが、人権団体は130人超とするなど差が広がっている。

Q なぜ長期化したのか

A 警察によるアミニさんへの暴行疑惑が起爆剤となり、長年の抑圧で鬱積した政府への怒りが噴出したからだ。交流サイト(SNS)の動画では、女性だけでなく多くの若い男性もデモに参加している。

イランでは政府に忠実な民兵組織「バシジ」などが反体制派の動向に目を光らせ、言論や集会の自由を妨げてきた。米国の制裁で経済低迷が長期化し、汚職の拡大も批判のやり玉にあがっている。

ライシ大統領はアミニさんの死亡直後、遺族に電話をかけて「愛するわが子を失ったようだ」と弔意を表した。若者たちの怒りを鎮める狙いもにじむが、デモ隊の非難の矛先は最高指導者ハメネイ師や革命体制そのものへと向かっている。

Q 今後はどうなる

A ライシ師はアミニさんの死因究明を約束したが、政府に対する不信感は強まっており、仮に死因が発表されてもデモ隊が引き下がるとは考えにくい。

政府が事態の収束を目指すのならヘジャブの着用を自由化するのが一番の早道だが、これもまずあり得ない。譲歩すれば言論の自由などさらなる要求が次々と突きつけられ、政教一致のシーア派体制が危機に陥りかねないからだ。

イランでは2019年にもガソリン値上げに端を発する大規模デモが起き、政府は狙撃手を投入してデモ参加者を射殺するなどして鎮圧した。1979年のイスラム革命以降では最大規模で、1500人が死亡したとの見方もある。

現時点では各地のデモ隊への実弾発射は散発的で、国内外の反発を避けるために若者たちが疲れるのを待つ戦術ではないか-との見方も出ている。

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