インフル感染、AIが瞬時に解析・判定 医療系スタートアップ「アイリス」開発 12月から初の公的保険適用

産経ニュース
アイリスが開発した「nodoca」で咽頭を撮影する様子。インフルエンザかどうかを迅速に判定できる(同社提供)
アイリスが開発した「nodoca」で咽頭を撮影する様子。インフルエンザかどうかを迅速に判定できる(同社提供)

人工知能(AI)によって、医師のインフルエンザ診断をサポートする医療機器が近くお目見えする。医療系スタートアップ(新興企業)のアイリス(東京都千代田区)が開発し、12月1日からこの機器を使った診断に公的保険の適用が決まった。新型コロナウイルス感染症が収束していない中で、日本感染症学会は今冬はインフルエンザが流行する可能性があると注意を呼びかけているが、インフルエンザの迅速な診断につながりそうだ。

この医療機器は咽頭内視鏡システム「nodoca(ノドカ)」。公的保険の適用が正式に決まり、同社は今冬からノドカの販売に乗り出す。町のクリニックも含め、広範な医療機関への普及を目指す。

現在、インフルエンザの検査は、鼻腔の奥の粘膜を綿棒で拭って調べるなどの方法がとられており、痛みや不快感を覚える患者もいる。判定までの時間も15分ほどかかっていた。

これに対してノドカは、インフルエンザ患者がのどの奥にインフルエンザ濾(ろ)胞(ほう)と呼ばれる赤いぶつぶつが発生する知見を活用する。患者が口にくわえた専用カメラでのどを撮影。AIを用いた解析システムに、画像データと問診情報を送信すると、インフルエンザに特徴的なのどの様子や症状などから十数秒でインフルエンザかどうかを7割超の精度で判定する。

インフルエンザ濾胞かどうかを見分けるには、熟練の医師による診断が必要とされていた。ノドカは熟練医師の視診をAIで再現し、短時間で判定できるようにした。

アイリスは現役の医師である沖山翔社長を中心に、医師6人、AIエンジニア、中央官庁出身者らさまざまな分野の専門家からなる医療スタートアップだ。

平成29年の設立後、ノドカが第1号商品となる。100以上の医療機関で1万人以上の患者から収集した50万枚以上の咽頭画像データベースを基に、AIアルゴリズム(計算手法)を開発。瞬時に鮮明な咽頭画像を撮影できる専用カメラも独自に設計・開発した。今春、既存の医療機器とは構造などが明らかに異なる「新医療機器」の承認を得たが、AI搭載医療機器でこうした承認を取得したのは日本で初めてという。

ノドカを用いた検査の保険点数(診療報酬)は305点(3050円)で、このほど中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)が了承した。この点数は、医療現場で広く用いられているインフルエンザウイルス迅速検査キットによる診断と同じ点数で、患者の費用負担、医療機関収入は同キットを用いた場合と変わらない。

また、保険適用の決定区分の代表的な8つのカテゴリーのうち、ノドカはC2(新機能・新技術)区分で承認された。このカテゴリーでAI医療機器を用いる診断に保険適用されるのも初めてとなる。

医療関連分野では、AIを用いた機器やサービスの開発が活発になっている。日立グループの日立社会情報サービスは、流行予測AIを活用したインフルエンザの流行状況を予測・情報配信するサービス「感染症予報サービス」を展開。NTTコミュニケーションズは、音声認識AIで認知機能の状態を測定するサービス「脳の健康チェックフリーダイヤル」を9月21日から開始した。

今回、ノドカに対して公的保険の適用が決まったことについて、アイリスの沖山社長は「日本の保険医療史にAIが受け入れられ、皆で適切に活用していこうと認められた」とその意義を話す。今後、AIを活用した医療機器の開発に弾みが付くことが期待されている。(遠藤一夫)

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