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NZの底辺で奮闘するシングルマザーが暴走 描かれる経済格差に衝撃 映画「ドライビング・バニー」

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姪とともにどん底から這い上がろうとするバニー(右)
姪とともにどん底から這い上がろうとするバニー(右)

国土が日本より少し小さい島国で、四季があるニュージーランドには親近感がある。大自然に恵まれゆったり暮らすイメージがあったが、映画「ドライビング・バニー」(公開中)が描く経済格差に衝撃を受けた。

離れて暮らす幼い娘のために、誕生日パーティーを開いてあげたい―ささやかな願いを叶えるため、40歳のシングルマザー、バニーはどん底の生活を立て直そうと奮闘する。ワケあって夫を殺害し、服役を終えたばかり。娘と息子は施設を通じて里親に出され、監視付きでしか面会ができない。引き取るには、住まいや定職を持つなど身辺を整えなければならない。バニーは路上で洗車して小銭を稼ぎ、妹一家に居候して準備を進めるが、妹の夫ビーバンが継娘のトーニャに言い寄る光景を目撃してしまう。

直情型のバニーは姪を強引に助け出そうとして、追い出される。バニーはビーバンの車を拝借して、家出したトーニャを伴い、子供たちとの家族生活を夢見る。大胆な万引きや役所を欺(あざむ)く偽装工作は、子供たちと暮らすためなのだが、悪事には違いない。暴走を続ける不思議なロードムービーのゴールはあまりにも哀れだ。

薄幸の母・バニーを豪アカデミー賞助演女優賞を受賞したベテランのエシー・デイヴィスが好演。映画には直接描かれないが、物語の背景には、ニュージーランドの不動産を買い漁って、住居難民を生み出した中国系の影がちらつく。 (中本裕己)

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