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厳しい大地「上から目線」で挑む 北海道庁にドローン相談窓口 先進地目指す

産経ニュース
先輩の勝亦浩希さん(右)から作業手順の説明を受ける当別町職員の梅本彩花さん=9月21日、北海道当別町(坂本隆浩撮影)
先輩の勝亦浩希さん(右)から作業手順の説明を受ける当別町職員の梅本彩花さん=9月21日、北海道当別町(坂本隆浩撮影)

北海道でドローンを活用した地域活性化の動きが加速している。道庁は4月、相談機能などを一元化する「ほっかいどうドローンワンストップ窓口」を開設。効率的な情報発信で利活用促進を進めている。他県に比べて圧倒的な広さと積雪寒冷という北海道ならでは地理的条件を克服するべく「ドローン先進地」を目指している。

フォーラム活況

8月末、札幌市内のホテルで開かれた北海道初の「ドローンフォーラム」(北海道など主催)には、民間企業や自治体関係者など約180人が集まった。道内自治体による先進事例報告や企業・団体が出展したブースや体験コーナーが活況を呈していた。

注目されていたのは、上士幌町が紹介した「クリスマスドローンショー」。冬の誘客企画として昨年12月、夜空に300機のドローンを飛ばし、サンタクロースの顔などをイルミネーションのように見せて話題になったものだ。また、山岳遭難などを想定し、赤外線サーモカメラを搭載したドローンによる夜間の行方不明者の捜索サービスなども、関心を集めていた。

主催した道次世代社会戦略局デジタルトランスフォーメーション推進課の担当者は「反響は予想以上」と手応えを語る。

機運が高まっている背景には、機体価格が安くなったことや、12月から導入されるドローン操縦の国家資格の制度化、産業などへの利活用に対する期待がある。特に北海道は人口減少や少子高齢化などに加え「広域分散型」という地理的条件がある。それらの課題への対応にドローンへの期待は大きい。

倒木被害を調査

当別町は「ドローン」の名称をそのまま名付けた担当係を持つ珍しい自治体だ。平成29年4月に経済部商工課内に「ドローン係」を新設。今春、経済部ゼロカーボン推進室へ移設した。農薬散布や農産物運搬の実証試験、台風による倒木被害調査など、林業分野を中心に利活用を進めている。

9月中旬、町内で間伐作業の調査にあたったのは今春入庁したドローン係の梅本彩花さん(20)。ドローンに初めて触れたのは配属の翌日だったといい「ラジコンみたいで面白かった。今は先輩に教わりながら勉強中です」と笑顔で話す。

林政係の佐々木誠係長(44)によると、間伐エリアの調査は従来、現場計測が中心だったが「ドローンの撮影画像を解析することで省力化できている」と効果を実感している。視察依頼も増え、先進地として注目度も高い。

自治体で温度差

関心が高まっているドローンだが「まだ自治体ごとの温度感にばらつきがある」と道の担当者は言う。

広大な農地では農作物の生育確認にも時間を要するが、AI(人工知能)カメラを搭載したドローンで生育状況を確認でき、省力化が可能。住宅が点在する地域では真冬の日用品配達などで活用が期待できる。旭川市と稚内市は、すでに医薬品配送の実証実験を実施しており、上士幌町は物流、更別村では日用品の個別配送などで実証事業を行っている。

「北海道全体でドローンに関する知識底上げを進める必要がある」と道の担当者。今後、庁内に設置したドローンの利活用推進に関する検討プロジェクトチームなどを通じて、情報共有や連携を進めるという。

北海道のドローン事情】 国土交通省航空局無人航空機課によると、8月31日現在、航空法に基づく重量100グラム以上のドローン機体は国内に30万9661台。都道府県別や用途別の集計はしていないが「東京都よりも地方の方が多い」。北海道が4月に開設した「ほっかいどうドローンワンストップ窓口」の相談件数は9月14日時点で45件。相談の多くは今のところ、飛行に係る申請手続きという。

記者の独り言】 「ドローンパイロット」とも呼ばれるドローン操縦者。記者もこの春に民間団体主催の10時間講習を受講し、仲間入りした。機体の購入と登録、保険加入を済ませ、取材の隙間を見つけては練習と撮影飛行を重ねている。送受信機に取り付けたスマホの画面越しに見る上空からの風景が美しく、初心者ながら楽しい。練度の高まりもあり、それなりの動画を撮れるようにもなってきた。秋の北海道映像をお届けできるよう奮闘している。(坂本隆浩)

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