「ユーチューバードリーム」の象徴、はじめしゃちょーさんが10周年 努力し進化する〝悪ガキ〟

産経ニュース
「今のピークを続かせることが今後の目標」。はじめしゃちょーは、取材が終わるとすぐ、手にしていたカレーをおいしそうに食べた
「今のピークを続かせることが今後の目標」。はじめしゃちょーは、取材が終わるとすぐ、手にしていたカレーをおいしそうに食べた

ワンルームで動画配信を始めた若者が、数年後に人気配信者となり、3億円の豪邸を構える―。はじめしゃちょーさん(29)は、現代のユーチューバードリームを象徴する一人だ。体を張ったネタや斬新で手の込んだ動画で人気を集め、チャンネル登録者数は1千万人の大台を突破した。今年で活動開始から10周年。「好きな動画を作って、それが仕事になる。本当に幸せ」と語る。

大学生のときに動画配信を開始。彼女にフラれ、大学生活で漠然と感じる「つまらなさ」を打破したい思いが原動力となった。以後、多くの若者の支持を獲得。昨年には静岡県内で3億円の豪邸を購入したが、変わらず動画作りに精を出す。

世界最大級のグミを一人で食べる、巨大スライムを風呂で自作する…。規格外の動画を制作する背景には、しつけに厳しく、遊びが少なかった家庭で育った反動も大きかったという。

「昔できなかったことを大人の力で実現している感覚です。法を犯さず撮影許可などをきちんと取れば、自己責任でいろいろなことが実現できる。大人っていいなと本気で思いますね」

一方、「大人はどうしても頭が固くなる。プロ意識はあえて持たないようにしている」。ただし、他者から見れば動画にかける姿勢はストイックそのもの。稼いだ大金を元に動画の面白さに磨きをかける。「僕のピークは今。好きな動画を作りゲラゲラ笑うことが一番の幸せ」と語る。

自身のいじめられた経験談を明かすなど、時にメッセージ性のある動画も発信する。ただ、「いい奴ぶりたくはない」という。「いつまでも〝悪ガキ〟でありたい。なるべく善人に見られないよう頑張ってます」

今後については「(業界を)牽引(けんいん)するというよりは背中で語りたい。企画で勝負したい」。現在、ユーチューバーは子供たちの憧れの的だ。「厳しい道」と断じたうえで、次世代の配信者たちにこう呼びかける。

「経験が浅いと、やっぱり面白いものはできない。勉強や部活、恋愛などいろいろな経験をして、人としての魅力を積んでほしい。それがきっと、面白い動画につながります」

はじめしゃちょー 平成5年、富山県出身。静岡大在学中の24年に動画投稿を開始。現在は東京を主な拠点として活動する。動画のモットーは「自由」。実験系をメインに、興味のおもむくままに動画作りに打ちこむ。最近ハマっているのはサウナで、自作のサウナも計画中。

ユーチューバーの制作舞台裏や、その素顔を紹介する特別展「動画クリエイター展」が、10月8日から来年4月2日まで日本科学未来館(東京・お台場)で開催される(同館、産経新聞社主催)。

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